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ダメ元というか
却下されることを
ほぼ確信しながらも
書いた手紙を
検閲の職員と所へ
僕は持っていった。
却下になるのは
僕の本心でなく
心にもない嘘だと
職員は気づくからだ。
さらには
被害者3人も
その嘘を見抜き
不快な気分になる。
そんなことを
検閲の職員は
推測するはずだ。
それゆえ
僕の手紙は奴らに
そのまま出せずに
書き直しになるだろう。
ただ
書き直しになったら
もう手紙を出すのを
僕は止めるつもりだ。
くだらないことに
貴重な時間を費やすのは
まさに愚の骨頂である。
僕は大学に入って
人生を切り開くために
ここで頑張っているんだ。
僕にとって
奴らへの手紙なんて
何のプラスにもならない。
奴らへの手紙は
所長の命令ではなく
僕に勧めてくれただけだ。
なので
止めてもいいだろう。




