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星新一さんの
小説は小学生でも
わかりやすいような
文体で書かれている。
そのために
星さんの作品は
ある誤解を招きやすい。
これ位は
自分でも書ける!
と
少し文章力に
自信のある人なら
思ってしまいがちだ。
僕も最初
そんなふうに
思ってしまった。
しかし
いざ自分で
書いてみようとすると
全く書けないんだ。
所長は僕に
そんな平明達意の
星新一さんの文体を
参考にしろと言うんだ。
おい!
ムチャ言うな!
星さんのような
天才でもない限り
あんなふうには
書けないんだよ!
と
所長に言いたくなる。
まあ所長も
星さんと同レベルの
文章で手紙を
言っているのでないはず。
手紙は長く
ダラダラと書くな!
命令口調は
決してせずに
短い手紙の中で
間接的に伝えろ!
と
僕に言いたいんだろう。




