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ただ
その時には
この人は
正直な人だな!
はたして
自分ならば
こんなことを
年下に言えるだろうか?
と
僕は所長に
好感というか
尊敬の念を持った。
普通の人なら
自分の子供よりも
年下の少年に対して
羨ましさを感じたとか
理不尽さを抱いたとか
以前の考えを改めたとか
自分よりも人間力があるとか
たとえ
心の中で思っても
なかなか言えないものだ。
やはり
大人としての
プライドもあるからだ。
しかし
所長は正直に
自分の気持ちを
僕に話してくれた。
僕の方こそ
まだ人生の大先輩の
所長には到底、及ばない。
これからの
長い人生において
人間力を磨くことになる。
ただ
自分も将来は
所長のような人に
ないたいと思った。
たとえ
自分より年下でも
尊敬できる人には
素直に尊敬したい。




