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しかし
その奴らの
考えは甘かった。
屋上に戻った時
小沢君と野村君は
ともに両手にホウキを
2本持ってきていた。
やい!
イモムシ鬼頭!
イモムシ間瀬!
ハイハイは
さぞや疲れただろう?
これから
お前たちには
ハイハイ競争の御褒美に
とても美味しい
食後のデザートを
食べさせてやるよ!
と
小沢君と野村君は
不敵な笑みを浮かべた。
その余裕のある
2人の口調を聞いて
奴らは悪の本能で
嫌な予感がしたんだろう。
おい!
お前たち!
いったい
何するつもりなんだ?
と
いかにも
恐怖を感じた声を
鬼頭と間瀬は発する。
一年前ほど前に
僕たちが貰った
食べ物のお返しだよ!
と
小沢君と野村君は
奴らを俯せから
仰向けの姿勢にした。
その時の
鬼頭と間瀬の表情は
明らかに恐怖に
おののいていたという。




