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きっと介助者は
小沢君と野村君は
背後で聞いていると
思わなかったんだろう。
ただ
それも正論だろう。
障害者としても
健常者には気持ちよく
手助けしてもらった方がいい。
ようするに
介助者の男性は
鬼頭と間瀬が
現実を受け入れる。
その上で
最善の方法を
見つけて欲しかったんだ。
現実というのは
拒否しているより
素直に受け入れた方が
ずっと楽になるからだ。
しかし
そのような
介助者の気遣いも
鬼頭と間瀬には
伝わらないようで
不貞腐れたような
態度を取っていた。
それを見て
ついに介助者が半ば
キレてしまったようだ。
介助の男性は
まだ若いゆえに
自分の感情が
抑えられなったんだ。
やい!
こら!
鬼頭!
間瀬!
お前たちが
障害者になったのは
自業自得なんだぞ!
身から出た錆だ!
と
介助者は怒声を
奴らに放ったという。




