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その予備校の
模試のレベルの高さは
2人とも知っていたからだ。
さらには
この医療少年院のある
県の中学生の学力レベルは
全国でもトップクラスだ。
それも
2人は知っていて
僕の総合偏差値とか
県内順位に驚いたんだ。
しかし
小沢君も野村君も
僕の成績に驚きながらも
ああ
やっぱりな!
と
心のどこかで
思っているようにも
僕には感じられた。
2人は以前
中学1年の頃に
高坂君が本気で
勉強を始めたら
僕は敵わないかも!
と
よく半分真顔で
言っていたからだ。
その時には
また!
また!
ご謙遜を!
と
僕は聞き流していた。
2人は学年で
トップクラスの
優等生であった。
僕の成績は
中の下くらいで
レベルが違うと
自覚していたからだ。
しかし
本当に頭のいい人は
相手と話すだけで
その地頭がわかるという。




