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ただ
あの時の僕は
やるしかなかった。
とはいえ
今となってみると
小沢君や野村君を
救うための方法は
他に無かったのだろうか?
と
自問することもある。
もっと
僕が大人になり
人間が出来てきたら
暴力で返すのでなく
こうすればよかったんだ!
と
気づく時が来るかもしれない。
しかし
覆水盆に返らず。
やってしまったことは
もうどうしようもならない。
大切なのは
これからである。
所長を始め
職員たちは皆
今まで一度も
僕の事件を咎めたことはない。
ただ
これまでに
何度か面談の時に
反省を促されたことはある。
そんな時は
あの松山さんの
アドバイスに従って
少し懲らしめるつもりが
やり過ぎてしまいました!
とても後悔してます!
とか
表面的には
僕は素直に
反省を見せている。




