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その女の子の
手紙は拙い字で
「つるはしの、お兄ちゃんへ!」
と
僕への感謝の
気持ちが書かれていて
最後には
「少ないですか、これで美味しいお菓子でも買って食べて下さい!」
と
手紙と共に
千円が入っていたという。
おそらく
少ない小遣いの中なら
僕のために出してくれんだろう。
そんな話を
小沢君と野村君との
面会で教えてもらい
僕は心を打たれた。
ああ
自分の行為により
救われた人たたちが
本当にいるんだな!
と
認識もできた。
あの僕の犯行は
自分のためであり
親友2人のためだった。
まさか
知らない誰かを
助けることになるとは
思ってもみなかった。
もちろん
僕は決して
自分のしたことを
正当化するつもりはない。
本来ならば
暴力に対して
暴力で対抗するのは
間違っていると思う。




