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僕は決して
勉強ができるわけでなく
スポーツもできるわけでもない。
学年で成績が
トップクラスの
2人にとっては
僕は付き合って
得することなどない
普通の生徒だったはず。
それなのに
2人は僕と
友達になってくれた。
小遣いが無い
僕のために毎回
ご馳走してくれた。
この世には
もう僕は未練はない。
ただ
小沢君と野村君に
恩返しができないまま
死んでいくのは心苦しい。
それでも
鬼頭、真島、間瀬の
悪3人組が消えれば
小沢君も野村君も
以前のような学校生活に
戻れるであろう。
僕が捨て石となって
大親友の小沢君と野村君に
幸せな人生を歩んでもらえる。
そう思えば
2人に対しての
恩返しになるだろう。
そうなれば
僕の死は決して
無駄死でないんだ。
そんなふうに
自分に言い聞かせた。