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しかし
今回ばかりは
母親の言葉を
聞き入れなかった。
高坂くんは
僕たちのために
事件を起こしたんだ!
高坂くんが
やってくれなかったら
自分は本当に
死んでいたかもしれない。
なので
これから
僕は高坂くんを
助けないと気が済まない。
もしも
見捨てたりすれば
僕は人間として
クズになってしまう。
そんなことを
小沢君と野村君は
両親に言った後に
それでも
高坂くんと今後
会うなと言うなら
今すぐ僕を殺して欲しい!
恩人でもある
親友を助けない
人間のクズになるよりも
いっそ殺んだ方がマシだ!
とか
両親に迫ったという。
きっと
普段は大人しく
両親に従順な息子が
そんなことを
言ってきたのには
さぞ驚いたことだろう。
2人の言葉は
ただの脅しでなく
半ば本気だったという。