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それは
医療少年院の
職員たちも、また
同じであったようだ。
高坂くんは
本来は事件を
起こすような子ではない!
ここで
必ず立ち直って
立派な人間になれるはず!
と
職員たちは
僕を最初から
好意的に見てくれた。
医療少年院での
僕の厚待遇には
もう1つ理由がある。
それは
ある人たちからの
手回しであった。
ある人たちのことは
後で詳しく話したい。
職員たちは
はっきりとは言わないが
僕は特別待遇されたようだ。
その証拠に
食事の内容とか
自分の待遇面を
他の入所者には
絶対に話さないように!
と
僕は職員に
口止めされていた。
入所して一年半
僕は中学卒業までは
院内教室に通っていた。
他の入所者とは
そこで顔を合わせ
雑談することもあった。
自分の食事などの
待遇のことだけは
話してはいけないと
職員に言われていた。