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背後から
何年でも
待っているから
必ず会いに来てくれよ!
また一緒に
北海道旅行しよう!
と
込み上げるような
松山さんの声がした。
振り返ると
肩を震わせて
松山さんは泣いていた。
その姿を見て
この人を
裏切らないような
生き方をしないと!
と
僕は心に誓った。
鬼頭!
貴島!
間瀬!
これからの
僕の生き方を
よく見てろよ!
きっと
お前たちよりも
いい人生にするからな!
と
僕は思いながら
署の入り口に立つ
警察官に近づいていく。
そして
一人の警察官に
僕は名乗ってから
事件の加害者と告げた。
すると
その警察官が驚いて
すぐに携帯で電話する。
おそらく
署内にいる人を
呼び出しているんだろう。
ふと振り返ると
いかにも安心したように
松山さんは頷いている。
おそらく
僕が署内に入るまで
その場にいるつもりだろう。




