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そんなことを
松山さんに言ったが
もしも
本当の友達ならば
必ず会いに来るから
2人の名前を書くように!
と
譲らなかったので
はい!
わかりました!
と
僕は言うしかなかった。
昨夜までは
ホテルでタクシーを
手配してもらう予定だったが
徒歩で行くことにした。
ここから
警察署までは
そんなに遠くない。
松山さんとの
最後の2人の時間を
歩きながら過ごしたい。
やはり
車内よりも
歩きながらの方が
お互いに話しやすい。
僕と松山さんは
ホテルを出てから
警察署に歩き始めた。
高坂くん!
今日から
スタートだよ!
これからは
上がっていくだけだから!
と
松山さんは歩きながら
励ますように言った。
その励ましに
そうですね!
やっと
僕は人生の
スタートラインに
立てるんですね!
と
ごく自然と
僕は答えていた。




