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しかし
その挨拶は
事件のことを
話さない限りは
僕にとっては
永遠の別れの挨拶だが
松山さんにとっては
一時的な別れと思う。
じゃあ!
また今度ね!
と
僕との別れの時に
松山さんは言うだろう。
僕が懸念するのは
あまり長く旅を続けると
警察の捜査網にかかることだ。
もうそろそろ
全国規模の捜査が
始まっているだろう。
もちろん
僕は罪を犯した
少年には該当しないから
たとえ
警察に見つかっても
身柄拘束されないし
任意捜査も拒否できる。
警察ができることは
保護が必要な少年だと
児童相談所に伝えること。
とはいえ
それは法的なことで
実際には違うだろう。
つまりは
僕が13歳といえど
もし見つかってもしまえば
さあ
どこへでも
どうぞ行って下さい!
と
警察は絶対に
解放してくれないはず。




