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まさに
商魂たくましいと
僕は呆れてしまう。
しかし
出版社だって
慈善事業では、ない。
なので
利益を上げないと
成り立たないんだ。
おそらく
来週からの号でも
この事件の詳細を
小出しにしていくはずだよ!
と
松山さんは言う。
被害者3人の
僕へのイジメを
でっち上げたりして
大袈裟に書くんだろう。
さらには
僕の悲惨といえる
家庭環境も誇張して
読者に伝えるつもりだろう。
きっと
世論の9割は
加害者の少年の方に
味方、共感するだろうね!
とも
松山さんは推測する。
それでも
残りの1割は
過剰復讐と非難すると
松山さんは言う。
一つの雑誌の
記事の終わりには
来週号で容疑者少年の
日記を公開するとある。
それも
僕にとっては
願ったり叶ったりである。
いじめられっ子の
ヒーローの日記を
読者も読みたいはずだ。




