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犯行直後から
遅かれ早かれ
こうなることは
僕は想定していたからだ。
新幹線の中で
自分でマスコミに
密告電話した時は
もっと早く
数日の間には
公開されると思った。
なので
ああ
やっと出たか!
これで
小沢君も野村君も
安心するだろうな!
と
むしろ僕は
ホッとした気分でもある。
今まさに一緒に
朝食を食べてる
松山さんの前でも
僕は平静を装っている。
すごいことをする
中学生がいるもんだね!
と
松山さんは
テレビを見ている。
その言葉にも
そうですね!
と
あたかも
他人事のように
僕は相づちを打つ。
テレビニュースや
新聞の記事には
事件の原因とかは
まだ明かされていない。
13歳の中2の
少年がクラスメイトの
3人に瀕死といえる
大ケガを負わせた。
そんなふうに
新聞もテレビも
報道しているだけだ。




