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ただ
もう三年近く前なので
忘れているかもしれない。
そもそも
僕と同じように
弁護士になる気もないので
松山さんの話を
真由さんは真剣に
聞いていなかった。
いや!
記憶力抜群の
真由さんならば
覚えているかもしれない。
僕は真由さんに
その当時の
京大生というのは
前に講演に来ていた
松山さんという人なんだ!
覚えているかな?
と
聞いてみることにした。
すると
あっ!?
覚えているよ!
講演が終わってから
高坂君と抱き合っていた
あの汚ない浮浪者だよね!
と
真由さんは即答した。
うん!
よく覚えていたね!
あの浮浪者だよ!
と・・・
松山さんは
浮浪者ではない。
れっきとした
弁護士さんである。
ただ
真由さんの目には
浮浪者に見えたんだろう。
警察署の前まで
高坂君に付き添うなんて
あいつもいい奴じゃん!
と
真由さんに感心する。




