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というわけで
今は卒業間際であり
そんな出来事が
この二年間にあった。
元所長とは
それまで通りに
僕は半年に一度は
メールで近況報告をしている。
僕の近況は
元所長を通じて
医療少年院の人たちには
伝わっているはずだ。
そして
医療少年院の
人たちの情報は
元所長が知らせてくれる。
やはり
職員や従業員たちと
別れて四年近くになるが
僕も四年半もの間
一緒に過ごしてきた
人たちのことは気になる。
なにしろ
僕を育ててくれた
実家のような所である。
そして
職員や従業員たちは
家族のような感じだった。
僕は今後
その実家に何かあれば
規則に反しない範囲で
経済的な援助もしたい。
そんなことを
元所長に話したら
高坂君って
義理堅いね!
と
妙に感心していた。
この先ずっと
僕は受けた恩は
絶対に忘れないつもりだ。




