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そして
自分の稼いだ
お金で腹一杯
美味しいものを食べたかった。
しかし
そんな夢も
叶わぬものと
なってしまったんだ。
どうやら
松山さんは
僕のことを金持ちの
息子だと思っている。
まあ
100万円も持たせて
子供に一人旅に行かせると
僕から聞いたんだ。
そう思っても
当然であろう。
それから
寝るまでの間
僕と松山さんは
女の子の話をした。
恥ずかしながら
僕はヤラハタなんだ!
と
松山さんは言う。
ヤラハタ?
その意味が
僕には、わからない。
ヤラずの20歳だよ!
つまりは
童貞のまま
20歳を迎えてしまったんだ!
と
松山さんは
説明してくれた。
えっ!?
京大生なら
女の子にモテるでしょう?
と
僕が聞いてみると
それは
卒業してからだよ!
それも
一流企業に
就職できてからさ!
と
いかにも
悔しそうに答えてくれた。