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もちろん
本命というのは
恋人にしたいと
僕が思っていることだ。
僕は元所長には
そんなことまでは
話すつもりなかった。
ただ元所長は
東京に来た時の
僕の身元保証人で
親代わりをしてくれた。
そう思うと
今の自分について
全て知ってもらいないと
僕は思えてきたんだ。
すると
真由さんの写真を
この女の子に
高坂君が惹かれるのが
何となくわかる気がする!
と
元所長は再び
見て呟いている。
どうやら
僕と真由さんの共通点に
元所長も気づいたようだ。
僕のことを
社会不適合者とは
元所長は思っていないはず。
元所長は僕を
東大合格前から
器の大きな人間とか
過大評価してくれていた。
しかし
僕の生い立ちから
東大に入るまでの経緯。
それは
普通の人とは
明らかに異なっている。
東大生の中では
正規ルートでなく
明らかなアウトローだ。




