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医療少年院の
職員や従業員は
僕からの記念品である
タンブラーを喜んでいたそうだ。
タンブラー?
そうだ!
思い出した。
僕は退所して
東大入学のために
上京する時に贈ったんだ。
本当は支援金の半分を
世話になった礼として
僕は全員に渡したかった。
しかし
そういうことは
規則で禁止と言われた。
それで
僕が退所してから
数日後に届くように
全員にタンブラーを届けた。
本来ならば
それもダメなそうだが
受け取ってくれたようだ。
みんな自宅
あるいは職場で
使ってくれているそうだ。
そのタンブラーで
何かを飲むたびに
僕のことを思い出すと
みんな言っているようだ。
僕のことは
彼ら彼女たちは
気にしているという。
なので
僕のメールでの近況は
宴会などで会うたびに
元所長が伝えているという。




