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ただほど怖いものは
無いと言われてるからね!
と
松山さんは言う。
まあ
その通りだろう。
見返りを期待せずに
助けてくれるような人は
家族以外、めったにいない。
僕なんて
家族母でも
助けてくれないだろう。
小沢君と野村君は
例外中の例外だろう。
見返りを期待せずに
僕を色々と助けてくれた。
おそらく
僕は死ぬまで2人には
感謝してもしきれないだろう。
僕が今日
鬼頭、貴島、間瀬を
学校から葬ろうとしたのは
せめてもの恩返しだ。
それにしても
松山さんは少し
常人とは異なる
感性を持っている。
まだ僕は
男子の二次性徴もなく
声変わりもしてない。
端的に言うと
射精能力もないし
夢精すら経験ない。
同級生の男子たち
小沢君や野村君に比べても
肉体的には晩熟のようだ。