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尚子さんとは
帰りの道中で
ずっと会話していた。
お父さんからの
僕は伝言と伝えた。
尚子の人生は
尚子のものだ!
Uターンなど
考えなくていいから
自分の好きな道に進め!
その言葉を
お父さんの
口調を真似て
尚子さんに伝えた。
すると
似てないよ!
それに
高坂君のような
お笑い系の顔だと
強面である
お父さんと違って
全く迫力がない!
と
尚子さんは笑っていた。
ただ
お父さんの言葉には
尚子さんは感動していた。
尚子さん!
いい父親じゃないか!
将来は必ず
親孝行するんだよ!
と
僕は偉そうに
つい言ってしまった。
ただ
それは僕の本心だ。
家族がいない
僕には親孝行しようがない。
まあ母親は
生きているか
死んでいるかは
僕には、わからない。
ただ
とっくの昔に
母親は死んだものと
僕は思っているからだ。




