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尚子の人生は
尚子のものだからね!
親といえども
口出しはできない!
と
お父さんは
僕に言っていたんだ。
さらには
お父さんは
そのことについて
僕に頼んできたんだ。
お父さんから
言ってあげた方が
尚子さんは喜びますよ!
と
僕は言ったのであるが
自分では
言いにくいようだ。
その理由には
お母さんの娘への
気持ちもあるんだろう。
やはり
母親にとっては
娘の方が頼りになると
考えているようだ。
そのために
尚子さんには
大学卒業後には
近くで就職して欲しい。
そんなふうに
お母さんは以前から
望んでいるという。
お父さんも
そんなことは
前から知っている。
なので
自分から尚子さんに
ここには
帰ってこなくていいから
自分の好きな道に進みなさい!
と
言いづらいんだろう。
そんなわけで
お父さんの頼みを
僕は引き受けることにした。




