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聞けば
松山さんは
呆れたことに
僕が同行を
誘った時から
少し警戒していたという。
つまりは
資金を出してくれるなら
何か代償を求められるのでは?
ひょっとしたら
この少年はソノ気があり
自分の体が目当てでは?
そんなふうに
僕を怪しんだようだ。
そいえば
旅の同行を
僕が頼んだ時に
松山さんは
少し躊躇して
迷っていたんだ。
てっきり
松山さんは
遠慮して迷っていると
僕は思っていた。
しかし
あの微妙な間は
遠慮などではなくて
松山さんは
僕の性癖を
怪しんでいたんだ。
僕は見た目は
どこにでもいるような
普通の中学二年の男子だ。
その僕を見て
普通の人ならば
そんな疑いは持たない。
ただ
松山さんような
飛び抜けていい人は
僕のような
凡人では完全には
計れない所があるものだ。