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まさか
僕が大金を持って
遠方まで飛んだとは
警察も推測できない。
なので
僕は明日から
しばらく安心して
松山さんと旅ができる。
あくまでも
僕の希望を含めた
展開ではあるが
なんとなく
そうなるような
気がしているんだ。
一週間とまでは
言わないものの
できるだけ長く
松山さんと旅を続けたい。
そんなふうに
ホテルに来てから
僕は思い始めている。
さらには
何の根拠もない
僕の予感であるが
ひょっとしたら
松山さんとの出会いにより
自分の運命が変わるのでは?
そんなふうにも
僕は感じている。
とにかく
松山さんには
僕を引きつける
不思議な魅力がある。
これまでの
僕の人生において
このような年上の人は
一人もいなかった。
それゆえ
この人と少しでも
長く一緒に旅をしたい!
と
僕に思わせるんだろう。