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それはそれで
僕には好都合で
嬉しいことである。
やはり僕だって
敵意を持たれるより
好感を持ってもらう方が
お父さんと会話しやすい。
人と人の出会いは
第一印象も大切である。
お父さんは
かつての自分と
同じ苦学生の僕には
共感を抱いているという。
お父さんは
今では出世して
裕福になったものの
昔は苦労したんだ。
お父さんは
若き日の自分を
今の僕に重ね見ていると
尚子さんは言う。
尚子さんの
これまでの
誇張した話を聞いて
僕がバイトをして
学費や生活費を賄っていると
お父さんは信じているんだ。
お父さんは何と
できることならば
僕の援助をしてもいいと
尚子さんに言ったらしい。
具体的には
僕に学費とか
生活費のための
お金を無利子で貸したい。
お父さんは
尚子さんに
そんなことまで
言ったというんだ。
