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僕のいない所で
彼女たちが何を
話しているのか?
僕に対しての
彼女たちの本音を
知りたかったからだ。
言い出しっぺは
桃音さんであった。
もしも高坂君が
アセクシャルじゃなかったら
私は付き合いたかったな!
と
桃音さんは言ったんだ。
えっ!?
それは本当?
と
薄目を開けて
桃音さんの表情を
僕は観察してみる。
冗談で言ってるのか?
あるいは
本心で言ってるのか?
それを
桃音さんの表情で
判断するためである。
冗談ならば
どこか表情に
出るものであるからだ。
すると
お酒によって
桃音さんの色白の
顔は赤みを帯びていた。
しかし
いたって真顔である。
となれば
桃音さんの言葉は
冗談でなく本心だ。
心の中で
僕は思わず
ガッツポーズをしてしまう。
正直に言って
僕はメチャクチャ
嬉しかったからだ。