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しかし
今日は自然と
言うことができた。
どうしてか?
おそらく
松山さんの
雰囲気であろう。
この人ならば
指摘してあげても
不愉快にならない。
むしろ
よくぞ!
注意して下さった!
とか
指摘を好意的に
受け取ってくれると
僕は感じていたからだ。
さらには
今日の午後からの
僕が成り行き任せに
旅をしていることもあるはず。
なので
自分の思ったことを
正直に言えたんだ。
僕の言葉に従い
服を脱ぎ始めて
松山さんは部屋の
浴室に入ろうとする。
僕もリュックから
着替えの下着を出して
大浴場に向かおうとした時
おい!
君!
無用心だぞ!
と
松山さんに
呼び止められた。
えっ?
と
部屋を出ようとしていた
僕は反射的に振り返る。
もし僕が
君がいない間に
お金を持ち逃げしたら
いったい、どうするんだ?
と
松山さんは真顔だった。