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水炊きを囲む
4人での忘年会も
かなりの時間が経った。
僕は満腹で
もう食べられない。
なぜなら
最初のうちは
僕だけが食べていたからだ。
ここは
僕のマンションで
彼女たち3人は
お客様である。
なので
本来ならば
僕が彼女たちを
もてなすべきだろう。
もちろん
僕は彼女たちには
さあ
君たちも
食べて!食べて!
と
自分が食べながら
何度も勧めていた。
しかし
いつも通り
彼女たち3人は
僕の満腹まで
ワインを飲むだけで
ほとんど食べなかった。
かなりの
時間が経って
僕の箸が止まって
やっと
彼女たち3人は
水炊きを食べ始めた。
こういうことを
僕は想定しているし
食材は豊富に買ってある。
かなり昔の
相撲部屋のように
最後の下位力士が
いざ食べる時には
ちゃんこ鍋は
汁しか残っていない
事態は避けたいからだ。