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それまでは
弟のように見ていた
僕が無性愛者でなく
本当な異性愛者であり
自分を異性として見てると
桃音さんと尚子さんは知る。
すると
2人とも警戒して
僕から離れていく。
そうすると
2人は必然的に
同性の私とも
疎遠になっていく。
真由さんは
そんなふうに
確信しているようだ。
いや!
それは違うだろ?
と
真由さんの考えに
僕は反論してしまった。
僕が本当は
アセクシャルでないこと。
たとえ
桃音さんや尚子さんが
それを知ったとしても
2人と同性である
真由さんとは関係なく
接点は変わらないはず。
そんなふうに
僕は思えたからだ。
しかし
真由さんは
そう思わなかった。
東大入学前
真由さんには
女友達が一人も
いなかったという。
下心を持って
自分に近づいてくる
男たちは、いたそうだ。