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ここで
僕と彼は改めて
自己紹介をした。
僕は松山徹
本物の京都大学の
法学部の三回生
弁護士を目指して
京大に入ったんだが
挫折しかかっている。
実を言うと
今後の人生を
見直すために
一人旅をしているんだ!
これから
よろしくね!
と
彼、松山さんが
僕に自己紹介した。
それに対して
僕は高坂久登です。
何も取り柄のない
平凡な中二の男子です!
こちらこそ
お願いいたします!
と
僕も自己紹介した。
僕は一瞬
実名でなく仮名を
使おうかと思った。
しかし
その必要はないと
自分の名前を
伝えることにした。
ホテルでは
僕は松山さんの
弟ということにしてもらう。
それゆえ
宿帳には高坂でなく
名前だけでいいからだ。
さらには
僕の犯行が数日中に
明るみになったとしても
未成年であるから
僕の実名は絶対に
公表されることはない。