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さあ
どうしようか?
僕は迷っていた。
待合室の方が
ホテルよりも
自分の身は安全に思えた。
安全というのは
警察による身柄拘束を
逃れるということだ。
ホテルだと
宿帳とかに
名前を書いたり
場合によれば
中学生なので
身分証明を求められる。
しかし
駅の待合室は
そんなことはないだろう。
やはり
京大生の彼は
僕に好感を持ってくれて
もう少し
一緒にいたり
会話したいようだ。
この人と一緒に
駅で止まろうかな?
と
僕は思い始めていた。
ただし
どんなに寒くても
彼の毛布は遠慮したい。
失礼ながら
彼の風貌を見ると
毛布にノミやシラミ
最悪の場合は
南京虫トコジラミまで
付いているかもしれない。
大きなスーパーや
ドラックストアも
近くにあるはずだ。
まだ夜も早く
開いているだろうし
お金は十分あるき
毛布は買ってもいい。