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すると
北京原人!?
いったい君は
どこまで失礼なんだ!?
と
男は憤慨している。
しかし
その目は笑っている。
どうやら
僕に毒舌にも
男は好感を抱いているようだ。
それから
その男と僕は
さらに打ち解けて
会話が弾んだ。
失礼ながら
彼は見かけでは
あまり賢く見えない。
しかし
話してみると
頭の回転の早さは
僕にもわかった。
たとえば
僕が10のことを
相手に伝えたいとする。
普通の相手だと
僕が10の説明を
しないといけない。
しかし
彼の場合は
2か3の説明をしただけで
10を理解してしまう。
まさに
一を聞いて十を知る。
そんな諺が
ピッタリ当てはまる
人であるようだ。
さすが
現役京大生だな!
と
僕は感心していた。
ただ
相手の方も
君は中学生にしては
話が理路整然として
かなりの知的水準だね!
とか
お世辞だろうが
僕を褒めてくれる。