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しかし
自分の中にいる
もう一人の自分というか
知らない誰かが
この男を避けずに
接点を持った方がいい!
と
僕に勧めてきたんだ。
僕には昔から
こういうことが
たまにあるんだ。
その声に従うと
いつも正解だった。
というわけで
臭いのは我慢して
その男と会話することにした。
この先
この男は実際
小沢君や野村君と同じで
僕にとっては
自分を助けてくれた
人生の恩人となる。
話してみると
悪い人ではなかったし
年の離れている
僕とも話が合った。
それに
見た目によらずに
男が博学ということは
会話からも伝わってきた。
そのうちに
自分は20歳で
大学三回生なんだ!
夏休みを利用して
一週間ほど前から
貧乏旅行してるんだ!
と
僕に話してくれた。
その言葉に
僕は自然と
そうなんですね!
大学は、どこですか?
と
聞いてしまった。