白坂さんはやっぱ変
初めての投稿なので見づらい部分や日本語がおかしい箇所があるかもしれませんがそんなに長くないので最後まで見て頂けると幸いです。
国立秀嶺学園
突如として現れた怪物に対抗できる人材を育てることを目的として設立された高校である。
桜の木々が風景を彩る4月、生徒たちは様々な思惑を胸に学舎へと向かう。
そんな彼らだったが彼女を視界に入れれば、否が応でも意識せざるを得ない。
「ねぇ、あれって」「何であんな奴がここに」
肩ほどまで伸びた白髪に常人離れした容姿、女性にしては高い身長。
しかし、彼女に向けられる視線は羨望や憧れなどではなく、嫌悪感や悪意に満ちたものである。
数ヶ月前に大きな被害をもたらしたテロが起こった、それと同時にSNSにとある動画が公開され、そこに主犯とされる人間と被害現場で会話をする彼女の姿が映っていた。
しかし映像にはいくつか不可解な箇所があり、それが彼女をテロ関係者であるとするには不十分であったが、人々はそんなことお構い無しに勝手な解釈を事実として発信した。
その結果"白坂エマ"は犯罪者である、という考えが社会全体の常識となってしまった。
長い入学式が終わり教室の席に座った彼女にクラスメイトの視線が集まる。
そんな彼女に一人の男子生徒が話しかける。
「おいおい、何でお前みたいなやつがここにいるんだよ」
ニヤニヤしながら言うが彼女は見もしなかったが、ある一言が彼女の逆鱗に触れた。
「まったく、お前の親はどんな教育してんだよw」 直後、男子生徒がドアの外まで吹き飛ぶ。
誰もが何が起こったのか気づかず唖然といった表情をしている。
それもそのはず、彼女は一ミリも動いていないのだ。
常人であればそう見えるが俺の目には何が起きたのか見えていた、彼女は物凄い速さで男子生徒の陰部付近を蹴り飛ばしていたのだ、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね⭐︎
それから一ヶ月ほどたった頃の放課後だろうか。
用があり体育館に行くと、倉庫が少し開いていたので近づくと、中から人の気配を感じ、ちくわを除くがごとく中を覗いた。
ゑ?、、、理解するのに数秒かかったが、白坂の前で例の男子生徒が屍のように転がっていた。
察するに、彼は懲りずにちょっかいをかけお亡くなりになったらしい。
あまりの惨状にその場から後退りしようとした瞬間、隙間越しの見ていた彼女と目が合った、運命を感じた。
どれくらい時間が経ったであろうか、目が覚めると日が落ちかけていたが、そんな事よりも考えなければいけないことがそこあった。
隣には生死の不明な男子生徒、目の前には悪い噂の絶えない絶世の美女。
この問題はおそらくシャーロック・ホームズでも解けないであろう。
何を口走っても悪手な気がして黙っていると白坂さんが口を開いた
「藤沼くん、どうしたらこの事黙ってくれる?」
彼女はそう問いかけてくる。
僕は、コイツ頭おかしいんじゃねえの?と思った、だって俺の口ガムテープで塞がれてるんだもん。
彼女の問いかけにもごもごと呻いていると、思い出したかのようにガムテープを外す
「で、どうなの?」
「その前に手の縄を解いてくれない?」
「それは無理な相談ね、あなたみたいな怪しい人間は何してくるかわからないもの」
跳び箱の上から拘束された俺と屍の男子生徒を見下ろしながら彼女は言う。
「俺のどこが怪しいって?どこからどう見ても無害だろ、研いだ後の包丁ぐらい無害だろ!」
「ふざけているのなら記憶と一緒に存在ごと消してもいいのよ?」
「はいすんません、今すぐ考えます」
とは言ったものの人の弱みを握って何かをさせるのは日本男児たるもの気が引け——
「一緒にお昼ご飯食べたいです」
「は?」
「え?」
数秒の沈黙の後彼女は跳び箱から降りると指をポキポキと鳴らしながら近づいてくる。
「ちょ、ちょまてよ!」
「待たないわよあなた完全にふざけているでしょう」
「ふざけてないって、、、いやマジで」
「じゃあ、さっきの要望の理由を聞いてもいいかしら?」
「友達がいなかったんです」
「は?」
「いままで一緒に昼飯を食べるような友達がいなかったんです、だから憧れだったんだ、青春っぽくて」
「、、、」
「、、、」
数分の沈黙のあと先に口を開いたのは彼女だった
「わかったわ」
そういうと彼女は倉庫から出ていった。
身動きの取れない俺を放置して。
初めましてダークです。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
これからも活動していこうと思うのでよろしくお願いします。