始まりの始まり
新しいヒューマンドラマのような、異能バトルのような世界です。小さい頃から思い描いていたものを書くことができました。自分の満足の行くところまで続けるつもりですのでどうかよろしくです。
神は言った
「世界は複雑が極限まで絡まった混沌より生まれたあらゆる事象こそ最高に面白い」 と
時は人が進化し知識をつけ、他を喰らい始めた頃。
神は気にかけてなどいなかった。生だけを感じ、そのためだけに動く物「動物」には。
ただしそれが人間なら? 知識をつけ、快楽のためなら苦痛をも耐える人間は? 動物より一つ上のレベルに達した人間なら?
それらの進化は神々の興味を持たせた。
いずれは神に届かんとする志と知性を備えた人間たちは止まることを知らず、日々前に進む。それこそ本当にいつか神にすら至れてしまうような速度で。
もちろん神はその事態を理解していた。そこで神が抱いたのはただの興味だった。この者たちは一体どこまで進むことができるのだろう。どうやって終わりを迎えるのだろう。そう、ただの興味なのだ。それは愛ではなく、慈愛でもない。子供が新しいオモチャに抱く感情と全く同じなのだ。
もし仮に我々人間が作ったAIが、人間の地位を剥奪せんと本気を出してきたら恐怖を感じられずにいられるだろうか。
ほぼ確実に無理だろう。しかし、神はそんな感情を一切抱いていなかった。
ただし、たった一つの感情をのぞいて。その感情とは、「期待」であった。神すらも超えてみせると言わんばかりの姿勢に期待を持ってしまったのである。神が期待を持ったらどうなるか。それは単純明快。試練を与える。そしてもっと面白くなるように改良をする。この二つを神は同時に行った。世界の歪みとなる混沌のタネを落とすことで。
そこから全ては始まる。どこからかわからないが遥か上空に突然現れ、地上に向かって急降下するそのタネは世界中に広まるようにいくつもの破片に分かれて飛び散った。
そして地上に落ちたタネは生命を生む。生まれた彼らは六つの大きな種に分けられ、カテゴリーを与えられた。
「作り変える者」「登り続ける者」「見つけ出す者」「変わる者」「死なぬ者」「限界を超える者」
このカテゴリーを持った生命たちは、ある種は寄生し、ある種はヒトの社会に紛れ込み、ある種は隠れて活動を始めた。
彼はこれから先に作られる混沌の世界の基盤となるために密かにそれぞれの進化をし続けるのだった。
始まりの始まりはこの辺りでいいだろう
ここから先は現代の物語であると同時に
君たちの物語だ
全ては神を超えるために
次もまだちょっと説明になっちゃいますが、少しは世界観がつかめると思います。本当の主人公じゃないんですけど、見やすいように仮の主人公を出しますね。