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プロローグ

この物語は、私が大学生だった頃に卒業論文とともに書き上げた作品です。


あれから数年の月日が流れ…我が家にノートPCがやってきたこともあり、私はこの作品の投稿を決めました。


今読み返すと…1行読み飛ばすと確実に置いてけぼりをくらう展開の早さには苦笑うしかないのですが…


お暇なときにでも読んでくだされば幸いです。



※他小説に登場するキャラクターたちと同じ名前が出てくることがありますが、彼らはまったくの別人であり接点はありません…ある種のパラレルワールドといったところです。

その昔、世界のすべてが光と闇であった頃。



神は、人間に愛する心を与え、明日への希望を託した。



……




世界の片隅にあるモンド大陸が、まだひとつの大きな国だった頃。


人々の友情や絆を司る女神クリスタンは、五大神の中でも知名度の低い神であった。



けれども信者たちは、気の合う友人に会うことができるのはクリスタン神のおかげであると語り合い、クリスタン教の布教を始めた。


その甲斐あってか、クリスタン教は世界中に広まり、信者の数も増えていった。



それから数年の月日が流れた頃…孤独を司る竜の王イゾリータが現れ、世界は滅亡への道を辿っていった。


守護神たちは、なすすべもなく諦めていた。

しかし、クリスタン神だけは希望を失わず、自らが持つ7つの剣を世界中にばらまいた。

人格を持つ剣が選んだ信者に、すべてを託そうとしたのである。


かくして剣は、それぞれの持ち主を選び出した。


そして、剣に選ばれた者たちは、イゾリータと壮絶な戦いを繰り広げ、辛くも勝利した。



イゾリータは、暗黒世界へ封印される直前、次のような言葉を残した。


「愚かな人間の愚かな心によって、この封印は破られるだろう。そして余は人間に災厄をもたらし、次こそ世界を滅亡させるのだ」


信者たちは動揺したが、クリスタン神だけは冷静に彼らを励ました。


「封印が破られるのは、これから何百年と先のこと。そのときはまた、剣に選ばれし信者たちが、イゾリータを封印するのです」



そして、月日は流れ…剣に選ばれた7人の信者たちは、神の元へ召された。



残された剣はクリスタン神によって世界中に封印され、後に『伝説の剣』と呼ばれるようになった。


その行方を知る者はいないが、伝説の剣は封印が破られたときに備えて新しい持ち主を待っている。



…世界が平和になった今でも、クリスタン教信者の間には、このような言い伝えが残されている。



一方で『クリスタン神話』には、知られざる『予言の書』と呼ばれる章が存在する。



筆者ノワールは、クリスタン教信者の聖地であるクリスタニアにて、神の使いからこの書物の存在を教えていただき、研究を続けてきた。


これは、クリスタン神話の言い伝えを裏付ける重要な史料である。



『予言の書』には、


「地中に二振り、頭上に二振り。大切な人から、二振りの贈物。そして、持ち主を見守る一振り」


という、伝説の剣が眠る場所を示す文章も存在する。



また、幻の大剣「正義の剣」についても記されている。


正義の剣は、伝説の剣に「もうひとつの力」が加わったときにのみ現れるといわれている剣であり、扱える信者は限られている。



「予言の書」には、竜の王イゾリータの封印が破られし日に、正義の剣を扱うことのできる信者が現れると記されている。


その信者の名前も「予言の書」には記載されており、

………

……



注 著者死去のため、『初めてのクリスタン神話』は絶筆となった。


また、紛失した「予言の書」は、現在も行方不明である。



―ノワール『初めてのクリスタン神話』

―クレソン「あとがき(代筆)」より

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