プロローグ
鉄道、最古の鉄道は16世紀半ばにまでさかのぼり、鉱山内における馬の引く輸送車両の使用が最初であったといわれる。しかし、現在では平行に2本のレールを敷き、その上で列車などを走らせ、人や貨物を運ぶ交通機関、交通システムである。 線路、旅客や貨物を載せて走る列車、停車場、駅などの施設、運行管理や信号保安まで様々な要素で構成される一連の体系を示す。そんな今の様な鉄道が生まれたのは19世紀前半のイギリスで起きた産業革命による蒸気機関車の登場が起源である。そこから人類は鉄道をあらゆる分野に活用した。
人や荷物を運ぶ運送業、それに関連して新たに観光業が盛んになった。従来の移動手段であった馬や馬車は徐々にその立場を奪われ、自動車の登場と普及によって歴史の中へと消え去った。また、プロイセン王国はその能力に目を付けており、従来からは考えられないほど迅速な兵員輸送を可能とし普仏戦争に勝利した。
自動車が登場しても依然として鉄道は主要な運送業の一つであった。安価で大量に輸送が可能な鉄道は人員の輸送こそ、自家用車やバスにシェアを奪われて入るが貨物輸送という点においてはトラックよりも遥かに多くの物を一度に運ぶことが出来た。
シュマン王国
かの国は広大な領土を手中に収め、強大な軍事組織と官僚組織、多数の属国を有するドグラス帝国に隣接する小国であり、常に帝国の外交的圧力と脅威にさらされている。さらに国王の権限は自らの城であるフェール城を出てしまえば、自らの直轄地とごく少数の弱小貴族にしか及んでおらずほとんどの貴族が半ば独立状態にある。
しかし、今まで王国が帝国に軍事侵攻を受けてこなかったのには理由があり、それは広大な海が王国を守っている。そのため王国は帝国に国土を侵略されたことは一度もない。だが、王国は帝国よりも広大なヤランド大陸に属しており、周辺諸国では争いが絶えずたびたび近隣の国から侵略を受けていた。
その、侵略を辛うじて退けてきたシュマン王国の弱小貴族の領地に作られたされた小さな、だがのちに世界を股にかける大企業となる鉄道会社が産声を上げる。