第3話 ぷかぷか孤島と精霊さん
砂浜に早速漂流物が来たので早速開封してみた。瓶を開けるのも念じれば出来るみたいだ。
パカッ! ぱんぱぱーん! 精霊(木)2匹が中で眠っていました!
ん?精霊?ゲームとかで聞いたことあるけどどんな姿してんだろ。そう思い監視カメラを向けてみると、そこには緑色の小さな女の子、人間で言うと2歳とか3歳ぐらいだろうか。そんぐらいの子が瓶の中で眠っていた。
とりあえず、外傷は今のところ見られないので芝生の上に寝かせておいてやる。瓶から精霊を取り出すと瓶はどこかに消えていった。不思議なもんだ。
テケテケテーン! レベルが上がりました! 報酬として設置物:池を手に入れました! 体長が縦横1メートルずつ伸びます。
テケテケテーン! レベルが上がりました! 報酬として設置物:噴水を手に入れました! 体長が縦横1メートルずつ伸びます。
パッパパーン! 称号:精霊の住み着く島を入手しました! つきましてはスキル:精霊との対話を手に入れました!
パッパパーン! 称号:幸運 を入手しました! つきましては設置物:精霊石を手に入れました!
おぉー!いきなりレベルが2上がって、称号も2つ手に入ったぞ!早速一つづつ確認していこう。
まずは池、鑑定で見てみると半径5メートルの池だった。設置すると島の大半が池になってしまう。保管とかって出来ないのかな?
ピピー! 設置物:池が保管庫に収納されました。
あっ、収納出来るんだね。てか保管庫ってどこなんだろう。まぁ深く考えても仕方ないか。
よし!次だ!次は噴水だ。これも鑑定で調べてみる。あぁー、なるほど池の次にこれが来たのは噴水は水の中にしか置けないからか。しょうがない、これも保管庫行きだな。
次! 精霊との対話、はまだ精霊たちが可愛い寝息をたてて眠っているので精霊石から調べよう。
精霊石:精霊たちの食べ物であるマナが湧き出す石。設置すると精霊たちが喜ぶ、また精霊が集まりやすくなる。マナの質と量は設置する場所により異なる。
ほうほう、なるほど。これで精霊たちにおまんまを食わせてやれと。よし、それが分かったなら早速設置だ!
うーん、どこに置こうか・・・ ヤシの木の横でいっか。あんまりセンスはよろしくないと分かってるけど置く場所ないからね。
よいしょっと、あっ、精霊石置いた途端精霊たちが起きた! 置く時ちょっと衝撃があったから怖がらせちゃったかな?
「んんー、ここどこ?」
「あっ、あそこにご飯があるぅ!お腹ペコペコ!食べりゅー!」
「ほんとだぁ! 私も食べりゅー!」
そう言うと精霊達は精霊石の方へ飛んでいき、精霊石に吸い付いた。
「あまぁーい!おいしぃー! こんな美味しいご飯はじめてぇ!」
「ほんとだぁ! おいしぃー! それに、食べても食べても味が薄くならないよぉ! すごぉーい!」
精霊たちが精霊石に吸い付く度に体から何かが吸い取られてる気がする。あぁ、場所によってっていうのはその島や大陸によってってことなのかな。
「はぁーおいちかった! 幸せー!」
「わたしもー!」
あっ、精霊との対話使うなら今しかないんじゃないか? よし!使おう! 俺は強く念じて精霊との対話を発動する。
『あっ、あーっ、聞こえますかぁ?』
とりあえずはマイクテスト?をしてみる。すると精霊達はいきなり声が聞こえたのにびっくりしたのか辺りをキョロキョロしている。
『驚かせちゃってごめんね。僕は孤島なんだけど、ごはんは美味しかったかい?』
「うん! 美味しかったぁ! もしかして孤島さんがご飯出してくれたの?」
「そうなの?」
精霊達はあんまり俺の事を警戒していないようだ。
『そうだよ。』
「そうなんだぁー! 美味しいご飯ありがとぉ!」
「ありがとぉ!」
そう言うと精霊達は一緒に頭を下げてくれる。まぁ監視カメラの方向じゃないんだけどね。ということは監視カメラは他の人には見えないのか。新たな発見!
『どういたしまして。それで君たちはどこから来たの?』
「わかんないの!」
「忘れちゃった!」
『そっかー。それじゃあしょうがないね。』
瓶のなかに詰め込まれて流されてきたってことはもともと住んでる場所に戻りたいんじゃないかなぁ、って思ったけどそうでもないみたいだ。よかった。
「ねぇねぇ孤島さん! 私たちここに住んでもいーい? ご飯もおいしいし、なんか居心地がいーの!」
「私もすみたーい!」
おお!精霊2人に居心地の良さを認められた!流石は芝生さん!パねぇっす!勿論俺はOKを出す。
「わぁーい!」
「やったぁーー!」
こんだけ喜んでもらえると孤島冥利につきるってもんよ! まぁ、今んところは無人島なんですけどね。
でも、精霊2人の住まう島となった! これは大きな進歩だと思う! まぁ島になってからまだ1日も経ってないんですけどね。
今は夕日が海の向こうに沈もうとしてる。お月様はまだ出てこない。となると今夜は満月かな?
夕日に照らされキラキラと光る海をみて俺は明日も頑張ろう、とそう強く思った。
ここまでご覧下さりありがとうごさいます!