深淵の底から
流れゆくは私
この涙なる海に
一太刀の孤独の溝が広がる
燃え行く太陽も
雲に覆われ
吹きゆく風も
殻に阻まれ
私はただ作ろう
寂しさに
見失なわぬように
苦しさに
飲み込まれぬように
一刻一刻
静寂と孤独の
背中合わせ
その海の激流に
誰も近づけはしない
一人思うのみ
昏の雨闇の中
ただ口にするものにも
雨が入り込む
しょっぱい
冷たい
苦い
痛みを感じ
自分に寄り添えなくなっていく
走り逃げることさえ
叶わない
一歩外は深い海
漂い流れて
どこへ行くのだろう
分かり合えない
反発する思いが
降り積もり
弾けては刺さる
繰り返し
目をふさいで
痛みよりも強い
闇を見つめた
それが
孤独という深淵に近づくことだと
思えたから
恐れなら
深く知ればいい
落ちて底を知ればいい
そうしてたどり着いた
光の届かない
奈落の底は
どうしてか安心した
落ち切ったのならば
もう向かう場所は一つしかない
上だ