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飽きない日々を求めて ~異世界で最強になってみた~  作者: 夢幻
7章 僕は世界を知る(ノーゼン~)
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マリオの村

一話で納めるつもりが、なぜか二話になった。そこまで多くないんだから、一つにしてもよかったが、個人的にも今まで通りの一話約3000字に合わせようと思い、分けました。


最近、戦闘ないね。苦手だから自分で抜いてるんだけどさ…。こういう系で戦闘ないのっていいの? 自分でも疑問に思えてきてます(笑)

「………お主、大丈夫か?」


 村長であろう人から少し引きながら訊かれた。…まあ、傍から見たらやってることは変人だったしね。こっちはガチで大切のことをしてたのに。…今することでもなかったな。


「あ、ああ。心配してくれるのか? ありがとう」

「…。」


根はいい人なんだな。僕もそれに応えるとしますか!


「私たちは、ここが山賊のアジトだという話を聞いてここへ来た! しかし、そのようには私は見えない。どうやって食料を手に入れてるのかとか聞きたいことはいくつかあるが、本当の話をしてくれれば私たちはおとなしく引き返そうと思う。一度矛を下して、話し合おうではないか」


 言い終わり周りを見ると、忍者(仮)は殺気が緩んでいる。が、まだ警戒されているようだ。すべては村長に委ねるって感じだ。そして村長は、オッゾと何か話し合ってる。ここからでは聞き取れなかったが、さて、どうなるのやら。

 数十秒が経過したのちに答えがついたのが、村長は僕たちの方を向いた。


「………納めよ」


 老人のその一言で場の空気が少し緩んだ。カシャンカシャンと剣を納める音が聞こえる中、二人が近づいてきた。


「一人だけ入場を認める。そこで詳しく話を聞かせてもらう。そこで我々は判断させてもらおう」


 これ以上の譲歩はないってか。まあ、これくらいならいいか。むしろ、争いなく話にもっていけただけでも御の字さ。

 さて、一人っと言われたわけだし誰が行くべきか…。


「…はよ行ってこい」

「あ、僕?」

「…いいだしっぺ」


ですよねー。


「それがいいと思います」

「てか、あれでよくそこまでもっていけたよな…」

「まあ、らしいけどね!」


どうやらいいようだ。…なんか、貶された気がするのは僕だけか?


「では、私が行かせてもらいます」


…なんでだろうな。さっきもそうだったけど、こういった大切な場では一人称が私になってしまう。これが、日本人の心か?


「わかりました。………では、ご案内します」


皆と一時的に別れて結界の中に入る。








「では、話を聞かせてもらいましょう」


 村長の家の応接間らしきところに着いてすぐに言われた。…こういう時って、お茶の一つくらいは普通出さないか? いや、別にいらないけど。お茶を出すまでの一瞬の休憩時間もくれないのか…。


「今回、お話の機会を頂きありがとうございます。私は、アキトと申します。よろしくお願いします」

「…村長のマリオネアだ。そこにいるのは………アルノだ」

「よろしく」


…おい、流石に初手で嘘を言うのはどうかと思うぞ。村長に関しては嘘は言ってないけど、オッゾについて隠しているとしか思えないぞ。そこにいるではないか。


「先程もお話ししましたが、今回ここを訪れた理由は山賊討伐というクエストを引き受け、ここにそのアジトがあると聞いたからです。まずは、ギルドとの話の食い違いについての話を頂けたらと思っています」

「…ちなみにその山賊の長の名前は?」

「オッゾと書かれていました」

「…」


 迷ってる、て感じだな。本当のことを話していいのかどうか。または僕の人格からどういう人かを探ってる感じかな。相手のことは丸わかりだ。3Dサイコー!


「…残念ながらここには山賊のアジトは存在していませんでした。ここは、とある事情で町から離れざるを得なかった人たちがここに住んでいます」


…話してくれるのか?


「詳しくは言えませんが、そういった場所です。社会的に消される、消された人たちがここにいます。理由は様々ですが、ここにいる人は犯罪歴がない人たちです。なので、ここらでどうかお引き取りを」


駄目か…。まあ、今の発言には嘘はなさそうだ。ということは山賊についての話はどっからきたんだろ?


「後、二つ程お願いします」


帰れ、と言われたけど、そう簡単には引き下がらない。それが僕である。


「…………………その二つだけですよ」


簡単に折れてくれた。最初からそのつもりだったのかな?


「まず一つ目に、山賊の話が突然出てくるのはおかしいと思うんですが、近くにいるということはわかりませんか?」

「それに関してはわからないな…。いつも人が群がっているところがあることは聞いたことがあるから、それがアジトなのかもしれん」

「そうですか…。ではその場所を教えてくれませんか?」

「それくらいならいいだろう。地図をやる」


そう言って地図に赤い点を描いたのちに僕に渡した。


「そこにいるかもしれん。少し古い話だから、今もそこにいるかはわからんが…」

「それだけでも十分です。ありがとうございます」


これが本当なら、なんとかこれで元は取れそうだな。


「では二つ目ですが………オッゾという人の居場所はご存知ですか?」

「…どうしてじゃ?」

「ギルドがここの調査ミスを行っている以上、このクエストは信憑性が欠けています。山賊もいるかも正直怪しいでしょう。一応、先ほどの場所には行くつもりですが、ここと同じような場所だったり、新しい村だったりという可能性も十分にありえます」

「…それで?」

「なので、このクエストの対象となっているご本人にお話を聞ければ、どうしてこんなクエストが出来たのかなどがわかるので、私としても嬉しいことですし納得がいくのですが…」

「…」


 沈黙ですね。そろそろ僕についてわかりました? 僕はあなたのことがよくわかりましたよ。昨日、寝つけが悪くて起きたついでに村の巡回をしていたことを。………よっぽど村の人が大事なのですね。そしてさっきからアルノという偽名の人はずっとこちらを睨んできているのだが…。これは、どうしたらいいんだ?


「…ちなみに、オッゾという人について知っていることはなにか?」

「いえ。私は田舎者なのでこの世界の世事については疎く、つい最近冒険者になったばかりで詳しいことは元ギルド支部長だったということだけしか知りません」


 今の質問にはしっかりと言っておく。「僕はあなたのことは知りません!」と。てか、そろそろいいだろ! 頼むよ! この言い方、辛いんだよ!

 ミリオネア(…マリオだな)とアルノは顔を見合わせいる。何かの合図か? それとも目で語る、みたいなやつか? どっちでもいいからさっさとしてくれ!


「…わかりました。そのことについてはこのアルノから聞いてください。わしは少し席を外します」

「御意」


そう言ってマリオは外へ行った。

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