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飽きない日々を求めて ~異世界で最強になってみた~  作者: 夢幻
7章 僕は世界を知る(ノーゼン~)
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番外編3-2 V-DAY 他の人たち

追加で書きました。もう過ぎたのに何故まだ…。

それは僕が好きだからです!

--- ロイド ---


「さて、今日もクエスト終わったし、宿に戻るか…」

「あ、あの!」


 声をかけられ、後ろを振り返った。そこには、赤毛の女の子がいた。…ニーナではなかった。


「何か用かい?」

「今から、暇ですか?」

「? ああ」

「なら、私と…」

「いた!」


 またしても後ろから声をかけられた。声に聞き覚えがあり後ろを振り返ったら―――ニーナだった。


「…」


 ヤバい! 何がどう悪いとは言えないがとにかくヤバい! この場をどうにかしなきゃ!


「すみません! 急な用事ができたのでここで!」

「きゃっ!」

「えっ、あの…」


と言ってニーナの手を引いてその場を立ち去った。







「はー、はー、はー………」

「……………さっきの人は、だれ?」


これって、やっぱり…


「いや、さっきの人とは今日初めて会ったんだ。どうして会いに来たのかとか聞けなかったけど、今日の予定を訊かれたからたぶん―」

「デート、ですか」

「たぶん、そうだと思う」


日本語が少しおかしくなってる気がするよ…。


「で、その返事は?」

「いや、返す前にニーナが来たから言えてない」

「そう………」


黙り込まないで! どうしたらいいかわからないから!


「もし、私が来なかったら、その………承諾したの?」

「………ん?」

「だから! もし私があの時声をかけなかったらデートに行ってたのかってこと!」


そんなの、決まってる!


「もちろん断ったさ。だって俺は………」


俺の馬鹿が! ここでつまるなよ! 言えよ!


「俺はお前が―――」

「…そっか。よかった!」

「…」


笑顔に見惚れて言えなかった。ああ、この根性なしが!


「あのね、ノインに聞いたんだけど…」

「…ん?」

「今日ってさ、2月14日だよね?」

「ああ、そうだけど…」

「ユウト君の元いた世界にはこの日に女性が男性にチョコを渡すんだよね?」

「…ああ、そうだけど……………ってまさか!」

「うん……………はい、これ」


と言ってハート形の赤い箱(・・・・・・・・)を渡された。やっぱり、これ!


「バレンタインチョコ!」


家族と男子からの冷やかしでしか貰ったことのない伝説のあの!


「あ、ありがとう!」


やべぇ! 超嬉しい! しかも好きな人からだから余計に嬉しい!


「ううん、どういたしまして」


ニーナは顔を赤くして、笑顔で、とてもかわいかった。


「じゃ、かえろ!」

「あ、ああ!」


二人はみんなの元に帰っていった。

二人の距離は―――――いつもより少し近づいていた。









--- レイ ---


 私は今、みんなの空気が嫌で、部屋に籠っている。それもそのはず、今日はバレンタインだ。この異世界に来てまでみんなでチョコを男子に渡して微笑ましくなっている。私は、そういったことが嫌いではないが、どうも今回は乗り気になれず、みんなと別れることにしたのだ。


 いつもならこんな時にユウのところに皆が集まりチョコを渡し、アキがその後ユウを軽くいじめるとこなのだが、二人がいないため、そういった景色が見れない。毎年見れた光景を見れなくなると辛くなる。そして、二人のことを思い出すとまた辛くなる。


 ここ最近、どうも心の疲弊が重なりしんどいことが多々ある。本当に会えないのだろうか…。折角二人のために作ったのに…。いつも渡せなくて結局ミキに食べてもらっていたが、今年もそうなるのか…。なんてこと言っても二人が戻ってくるはずもない。…仕方ないか。




「ミキ、すこしいい?」

「…」

(寝てるのかな?)


 ミキもみんなの空気についていけず今日は部屋にいると言っていたのでここにいると思ったのだが…。

(仕方ない、他の人にでもあげよう)

そう思い、その場を離れようとした時、


キキキッ


扉が少し開いた。

(おかしい。ミキはそういうことはきっちりする人だ。なのに…)


中を覗いてみた。部屋の明かりは消えている。ただ、人がいる気配はない。

(どこに行ったんだ?)


中に入るのは気が引け、扉を閉めた後に探しに行った。




 意外とすぐに見つかった。どうやら誰かと一緒のようだ。どうして中庭にしたのかは謎だな。


「こ、これ!」

 その誰かから何かを渡されていた。そして、その人はその場からすぐに立ち去った。ミキは、その場に立ち尽くしていた。私は迷わずミキに声をかけた。


「何貰ったの?」

「………レイ。チョコよ、バレンタインチョコ」

まあ、今日、男子から女子に渡すものなんて大概がそれだよね。


「よかったじゃない」

「…」

ほんとは嬉しくなさそうだったが、そういう他ないと思った。


「ミキの部屋に行っていい?」

「…うん」




「どうしたの?」

「…」

やけに暗い顔をしているので訊いてみた。


「今日ってさ、バレンタインじゃん」

「そう、だね」

「いつもならユウ君とアキの友達らしいところを見てたでしょ」

「うん」

「でも今年は、それすら…」

「…」

どうやら、私と考えていることは同じようだった。


「二人とまた会えるかな…。また、前みたいに楽しくいれるかな…。もしかしたら…」

「ミキ!」

「ごめんね。…でも、寂しいよ。いつも側にいてくれた人と半年くらい会えないのって…。連絡も取れないのって…」

「…」

涙を目に溜め、今にも零れ落ちそうだった。


「私は、どうすればいいの…」

「…」

数滴、床が濡れた。気持ちはわかるよ。でも…


「…悔しいときは涙を流せ。悲しいときは誰かに寄り添え。寂しいときは甘いものを食べろ。」

「!」

「アキの言葉だったよね。…今がその時じゃない?」

私はチョコを取り出した。


「毎年のことだけど、手伝ってくれない?」

「………うん!」


 ごめんね、こんなことしかできなくて…。でも、私はいつも側にいるよ。これからも、私を頼って。だから、


















私もミキを頼らせて。

ユウに関して書こうと思ったけど、よく考えたら三人の女子がいて、そのうちの二人をアキが独占していたら、そりゃあ何もないよね。一応メアからの友チョコを貰ったっていう話でしてもよかったんだけど、なんか、面白くなかったので…。(他が面白いとは言ってない)


ちなみに初期以来ほとんど出てないナオ君は「………まあ、いいか」のノリで書きませんでした。なんも思いつかなかったです(笑)

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