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飽きない日々を求めて ~異世界で最強になってみた~  作者: 夢幻
6章 僕はもっと強くなる(アルカ~ノーゼン)
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魔導と魔道

今更ですがマインがアキを呼ぶ場合はマスターです。…なんか、ね。憧れるでしょ?


※修正しました ちょっと長い会話以外の文を書いてみたかったので。

「私を弟子にしてくだしい!」


これが俗に言う Japanese Dogeza なのか! ………違った。土下座は「kneel down on the ground」だった。ってそんなことがいいたいんじゃなくて!


「急にどうしたの? どうしてなんですか?」

理由が訊きたいの!


「部屋を見たらわかると思いますが、私は魔()具研究家です。あまり表立っては言いませんが、この国では一番だと思ってます」

…いや、今言っちゃってるよ。


「ですが、そんな私でもあなたのつくる魔道具、いえアーティファクトには敵わないと思いました。私はそんな人の下で学び知識を得て、もっと凄いのを作りたいのです! どうかお願いします!」

「言いたいことはわかったけどひとつ訊かせて。アーティファクト? 魔()具じゃないの?」

「アーティファクトとは革命的な物のオリジナル、つまり原点となるものを指します。この魔導陸動四輪?、はこれからの運搬事業の革命にもなると思います! そして私は、いえ他の人はこのような魔()具を見たことがありません。だからアーティファクトです!」

アーティファクトって、案外適当なんだな。てっきり世界が定めた何らかの基準にのっとったものだと思ってたけど…。


『特に基準はありません。ただ、普通の人では作れない特別なものということでそう呼ぶこともあります。いわば、魔道具の上位互換、レア度の高いものです』

まあ、そうだろうとは思ったけど。


『そして、マスターとヘレナの指してる魔ドウ具が異なっています』

マインが言った。


「どういうことだ?」

『魔ドウ具のドウの漢字が異なっています。それによって若干のニュアンスが違っているのだと思われます』

「どんな感じで違うんだ?」

『魔導具はおそらく魔法で事象へ導く、もしくは起こった事象を他の事物を行うための糧にするってことでそう呼んでいるのですよね?』

「ああ」

『ちなみに魔導具という言葉はこの世界に存在していません。』

へぇー、そうなんだ。


『そして、この世界での魔道具は単なる道具でしかありません。そこらへんが違います』

「なるほど………これって新たなジャンルで売れば儲かるんじゃ」

『いえ、漢字がわからないとそもそもわからないので日本でならともかく、この世界では無理でしょう』

ちぇー、無理か。いい考えだと思ったんだけどな…。


『ちなみに魔導具として扱われる場合、エンジン部分のみが対象とするべきです』

「どうしてだ?」

『エンジンで作った熱量を利用して前進している、ということで魔導具としての理念を説明しやすくなります』

なんとなくわかった。つまり、他はエンジンを元に組み合わせたということにすればいいのか?


『そんな感じです。あと、熱量とかそういった化学的内容はこの世界には存在しないことなので注意してください』

ここにやってきている異世界人、そういったところ説明しといてやってくれよ! もしかして、僕たちの世界じゃなくてまた別のところからきてるのか? ………いや、単に世界観を守ってたということなのだろう! そうに違いない!


「僕の魔導具とあなたの魔道具とでは考え方が異なります。だからあまりお勧めできません」

「…どういう風に、ですか?」

「皆さんが使う魔道具はそのままの通り道具です。そのものが事象を為し、変化を表し、事物を生じます。ただ、僕の魔導具は単体では事物を為しません。」

「動くっていう事物が起きてると思いますが…」

「僕の魔導具はあくまでこのハーネスにある部品の一つ、エンジンです。これを生かすために別の物を重ねて作ったのがこれなんです。だから、考え方が異なります」

「………つまり私たちには難しい、と」

「そうなります」


というか、そろそろ理解してほしい。遠回しに言ってるが、要は弟子などいらんってことを言ってるんだよ。弟子なんか作ったら、連れて行かなくちゃならなくなる。そんなのお荷物以外の何でもない。


「………なら、ここにいる間っていうのは駄目ですか?」

「…なに?」

「旅のお方のようですしすぐ違う国、町へ行かれるのでしょう。なら、せめてここにいる間だけ教えていただけないでしょうか?」

「さっき言った考えは気にしない、と」

「ええ」

「どうして、僕なんだ? 他にも凄い人はたくさんいるだろ。それに僕は人族だぞ。プライドとかはないのか?」

「プライド? 何それ? 美味しいの?」

「…ここでそれを聞くことになろうとは」

「?」

「いや、なんでもない」


ネタに突っ込むことが目的ではないのだよ。


「どうして僕なんだ?」

「………少し前の話ですが、私は奴隷でした」

凄いことをカミングアウトしたよ。…まあ、この世界ではこれくらいは普通なのかな?






 奴隷の私はいろんなところへ行きました。その後貴族の主に買われたのはよかったんですけど、その人は奴隷をいじめるのが好きらしく、いろんなことをさせられました。あとで聞いた話なんですけど、主はそういう趣味の女性ではなく、普通の女性を痛めつけて楽しむことが好きだったそうです。


 そんな時、盗賊が主の屋敷を襲いました。主は殺され、金品は持ち出されました。幸いにも女性には手を出さず、全て置いて帰りました。ですが、主の持たない奴隷は行く宛もなく彷徨うほかありません。

 最初から金があるわけではないので、自分で稼ぐしかなく一時期冒険者にもなりました。しかし、戦闘が出来る訳もなく、ただの寄生虫のような感じだったのでパーティーに入っても追い出され、しまいには誰も入れてくれなくなりました。


 稼ぐ方法もなくなり行き倒れていたところ、人族の方に助けて貰ったのです。

 彼は十三らしいのですが、魔族である私を助けていただき、一日泊めていただきました。どうして助けたのか理由を訊いたところ『可愛いから助けた! 可愛いは正義!』と言い、一時間くらいどれだけ可愛いが重要かを熱弁してくれました。正直何言ってるのかわかりませんでしたが…。

 だけど、彼は私に可能性を示してくれました。魔道具の作り方を教えてくれました。少ししか教えてくれませんでしたが凄いものでした。今思えばあの時教えてもらったものはこの世界から外れている画期的なものだったと思います。ちなみに自分の意志で動く鎖を教えてもらいました。なんか金属器?、と言っていました。




「その人はあれから一度も会ってませんが、いつか恩返しをしたいと思ってます」


 なんか、目が恍惚としてるのは気のせいだろうか…。ていうか、前の主って言うのは阿呆なのか? 奴隷全部が性奴隷と勘違いしているのか? どちらにせよとんだ下種野郎なだけど。

 後、その盗賊はどうして女性には手を付けなかったんだろ? 女性には優しくといった教訓でもあったのだろうか? たぶん、結構な金になるだろうに…。


 そしてやっぱり人族の登場か。…なんで、こう日本人ぽいのがこの世界にはうじゃうじゃいるんだろ? もうわかんないよ。ただ、その男は意外と優しかったんだな。…もしかして口説いてたのだろうか?

 また、その男が異世界人っていうのは確定だな。それも日本の。金属器とかアニメのもんだろ、基本。


「それには今の技術だけではいけないと思いました。新しい何かが欲しかったのです」

「それで僕か」

「はい。間接的に恩返しになるかもしれないし、あの人と同じようなにおいを感じましたから」

「におい?」

「正確には勘ですね」

「そうか…」


こういう人もいるんだな…。


「…僕たちはいつまでここにいるかわからない。二日かもしれないし一か月かもしれない。その間なら許可しよう」

「それって…」

「臨時教師をしてやる」

「あ、ありがとうございます!」

全く、僕はこういうことに弱すぎるな。まあ、いいんだけど。


「よろしくお願いします! 先生!」

「………ああ。教えれることも少ない気がするが頑張ろう」






そんなこんなで生徒(?)が一人できました。

ちょっと水曜に書けるかわかりません。無理だったらごめんね。がんばるから!

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