「タレはやっぱり醤油でしょ!」「醤油って?」「えっ…」
短くてすみません。
僕は今、左右女子に囲まれたうらやましい状態で街中を歩いている。
ユウは一人で、ユウト、いやロイドとニーナは二人でデート、メアとノインは二人で女子の買い物をと思い、一人になれる!
、と思っていたのだが、どうしてこうなった…。
そして、二人にそのことを言ったら頬を膨らませて如何にも怒ってますみたいな顔をされた。そして、あなたなんてもう知らない!、と言うような感じで顔を背けた。なんでなんだ?
そして同行を許した僕もどうかと思うが………そんなことはいいんだ。それよりも、女子の気持ちがいまいちわからない。これが一番重要だ。
まあ男子なんだし仕方ないのかもしれないが、一応これからの旅を共にしていくわけだし知っておくべきだとは思うのだが、さてどうしたものか。身近にそういうのに詳しそうなのがいない、女子に訊くのは流石におかしい、本などで知識を得ても結局は経験値が必要。………どうすればいいんだ、いやマジで。
「…相手を思いやれば自然とわかるようになるのではないでしょうか?」
「なるほど、そうか………ってメアか。聞こえてた?」
「ええ。途中からですけど。」
いつの間にか口に出していたようだ。
「そんなもんでいいのか? まあ、それがムズいんだけどさ。」
「頑張ってくださいね。」
「期待してます。」
「応援されるようなものではないだろうけど…………期待に沿えられるように頑張るよ。」
…まあ自惚れでなければどうすればいいのか、なんとなくわかるけど。
「じゃ、いくか。」
「はい!」
「行きましょう!」
で今に至るわけだが、周りから見られてる気がする。いや、確実に見られてる。てか、視線が痛い。
メアもノインも見た目がいいのが関係している、としか言えないな。それに一緒にいる僕の存在は妬みの対象にしかならない。………辛い。
「ねえ、あれ、食べましょう!」
と言ってある屋台を指差してこっちを見ながら駆け出すノイン。元気だな〜。
「おっちゃん、いくら?」
「70ガルドだ。」
「そこをなんとか!」
「仕方ない。60ガルドだ。」
「ありがとう、おっちゃん!」
…値切ってきたぞ。あいつは大阪出身なのか?
「ただいまー」
「それって串焼きか?」
「はい。ネギマです。」
「………美味い!」
普通に美味しい。でも、なんか違うような…
「ですね! 醤油が使われているような感じがしますね。」
「ちょっと待て。醤油は使われてないのか?」
「はい。醤油はこの世界に存在しないのです。サラルドっていう魚を使っています。煮たりすり潰したりして作るそうです。」
だからか。なんか喉の水分を持っていかれた感じがしたのだ。焼き魚を食べると喉が乾かない?
「…服でも買うか?」
「いいんですか!?」
「まあ、流石に下着とかは無理だけどそれ以外なら」
「行きましょう!」
…こんなんでいいのかな?
「そうだ、ノイン。」
「はい、なんでしょう?」
「あまり、オルデウスを戦闘で使わないことにしたから。」
「へっ…。」




