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飽きない日々を求めて ~異世界で最強になってみた~  作者: 夢幻
5章 僕は決意する(アルデオ~アルカ)
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同じことを繰り返す

15歳の時、とある街を訪れた。


そこは人族が人族を嫌い、差別している街だった。自分を嫌い、他人を嫌い、世界を嫌ったはぐれ者が住む街ということだった。…昔を思い出して嫌な気分になった。


でも、そんな町に興味を持ち、酒場を訪れた。そこでは、

一人の獣族が複数の人族の首に輪を着けて嘲笑い、遊んでいた。周りの人は見て見ぬ振りをするしかないようで嫌な顔をしながら酒を飲んでいた。


そいつらに話を聞くと、最近近くに住み始めた獣族で、人を道具のように扱い、壊すのを快楽として過ごしているらしい。この街の人を攫い、ぶっ壊して捨てている、ということだ。


しかも、酒場など人のいる場所ですることで他人がその人を助けようとしない状況に絶望している顔を見るのがたまらなく好きらしく、よくこの辺りでしているらしい。


いい趣味をしているとは全く言えないこいつにとてもイライラした。でも、そいつは力に自信がありそうで、俺の力では勝てない気がしてどうしようもなかった。


ここにいても何もできないし気分を害すだけで嫌になるから出ようとした時、

奴に呼び止められた。


どうやら、俺を道具として壊すらしい。…もうこいつにとって決定事項らしく、すぐさま襲いかかってきた。接近戦で勝てると思わなかった俺は魔法で対抗しようとしたが、獣族は人より身体能力が二回り以上高く、全部避けられてしまった。…基礎値が高すぎるだろ。

俺はあっけなく捕らえられた。




俺のそこからの生活は悲惨だった。両腕両足をへし折られ、腹を何度も蹴られ、顔面を殴られ、火炙りにされた。その頃にはすでに力も入らず、呼吸するのがやっとの状態だった。


その状況で魔物の餌みたいに街の外に捨てられた。この近くに生息する狼、ブラックハウンドに案の定襲われた。動けず、ただただ引っ掻かれ、噛まれ、血を流しているしかなかった。死ぬのを覚悟した。これで終わりか…。早かったなあ。二度も人生があって平均寿命の半分も生きてやしねえ。ほんとに情けなくなった。


…本当にここで死ぬのか?これでいいのか?折角の人生、こんなところで終わっていいのか?それに、

親孝行、出来たのか?


最初の頃から生きる理由として考えてきた、親孝行がしたい、という想い。一度もまだ出来ずに終わるのは嫌だった。一度くらいしてみたい!それまで、まだ、

死ねない!


その時、何か鎖が外れたような気がした。その後数秒の記憶がない。ただ、魔物は倒したようだ。それだけはわかった。


その後、無性に獣族のあいつを殺したくなり、もう一度あの街へ行った。すぐにあいつを見つけることができ、奇襲で殺すことが出来た。すっごく清々しい気持ちになった。嬉しかった。()()()()()()()


何か、自分が壊れた気がした。取り返しがつかないことをした気がした。でも、よかった。生きているから。




それと同時に他人が嫌いになった。それだけが理由ではないけど。

あんな奴がこの世界にはまだまだいる。嘘を言って近づいてくる奴もいた。毒薬をいれた物を支給してくる奴もいた。やはり腐ってるな、と思った。


他人をまた信じれなくなった。

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