時すでに遅し
「ここが城下町だったのは五百年前までだよ。」
「「………は?」」
「ここは、単なる小さな町の一つだよ。」
えっ………知らなかったんですけど!
「…お前、ほんとにどうするつもりなんだ?」
「………どうしよ。」
「珍しく素が出たな。」
ほんとに想定外らしい。
まあ、僕らは適当にぶらぶらしているだけで、ほんとに行く宛がないから気にしてないけど。
「じゃ、城って何処に移ったんだ?」
「…そんなん聞いてどうするつもりなんだ?」
「ユウが行きたいらしい。僕らはぶらぶらしているだけだから特にない。…まあ、知り合いがいれば安心、て感じで一緒にいる。」
「…ちょっと会いたいやつがいてな。」
「ほう、それは誰なんだ?」
「…聞かない方が身の為だと思うが、いいのか?」
「…興味が湧くな。是非ー」
「………アルテミスに。」
「!」
急にゲインが立ち上がった。
…どうしたんだ?
「…今のは聞かなかったことにする。」
「…だろ。だからやめとけって言ったのに。」
???
「…で、城の場所は何処に移ったんだ?」
「あ、ああ。トレイルにだ。」
「…あんなところに、か?」
「知らないのか?あそこに最近ダンジョンが出来たんだぞ。」
「…なるほど、だから移動したのか。………わかった、ありがとう。」
「お、おう。じゃあな。」
「…またな。」
ゲインらは立ち去ってしまった。
………話についていけず置いてけぼりだったんだけど。
「なあ。」
「…なんだ?」
「説明プリーズ。」
「…だよな。」
流石にわからないと思ったのだろう。…魔族では共通で知っていることなのかな?
「アルテミスって?…確か、神話で出るよな。それであってるのか?」
「…いや違う。アルスとテミスっていう双子がいるんだ。そいつらをまとめてアルテミス、て言うんだ。」
「へえー。…そんなに凄いやつなのか?」
「…城には裏の役職があるだろ?その中のリーダー、ていったところだ。」
「てことは実力もー」
「…勿論だ。二人で戦うときは負け無しさ。」
「なるほど、よくあるやつか。」
「…今はいるのか気になったが今もいることはわかったからよかったよ。」
…?
「なんでゲインはそんなのを知ってるんだ?裏の役職なんだったら普通は秘匿にするだろ?」
「…昔、城で働いてたんだろう。胸に付けてるピン。あれは城の人です、ていう証のものだったんだ。…まあ、城の人しか知らないことだろうけど。」
「なんでゲインは裏のことを知ってるんだ?」
「城の人なら誰でも知ってることだしな!アルテミスは。」
「…スパイとかは大丈夫なのか?」
「………さあ?」
「おいおい。」
大丈夫かよ、魔族…
「トレイルの場所は知ってるのか?」
「…ああ。仕事で一度行ったことがある。ここから歩いて二日くらいのところだ。」
「なら大丈夫だな。」
わからないとか言われたらたまったもんじょないしな。
「じゃ、トレイルが次の目的地ってことでいいんだよな?」
「…ああ。ただ、まだ用があるから暫くはここにいるつもりだ。
「何かあるのか?」
「………ちょっとな。」
「?」
何かあるのか…また後日聞けばいいか。
「…聞いていいか?」
「…なんだ?」
「…こんなことでする話ではなかったよな?」
「!」
時すでに遅し。
最近、短いし、サブタイが適当な気がする…
そして、このスペースもため息しかついてない…
ネタ切れした漫才師の気分だ…




