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飽きない日々を求めて ~異世界で最強になってみた~  作者: 夢幻
3章 僕のしたい方へ(アイゼン~?)
26/89

見つけた先に

---  ユウ  ---



「………さてと、うまくいけたかな。」


僕は今、とある場所に来ている。城近くにある森で、名はアイゼンヴァレインという。通称はアイリンらしい。………とにかく、そこの中にいるのだ。


ここには魔族だけが知っている、週に一回魔族の城とアイゼンを繋ぐゲートが開く。誰かが開いているわけでもなく勝手に開くらしい。原因はわからず、科学者たちも悩ませていた。まあそれはともかく、ゲートが存在するのだ。


しかも、開いていないときは何もないような感じで見えなくなる。ゲートのあったところを通っても何も起こらないらしい。…不思議で仕方がないな。まあ、そんなこと気にしても何も始まらないが…。


僕は今日という日までこれからのことを考えていた。後先考えず突き進むのは馬鹿のやることだ。あっちへ帰るための日程、方法、着いてからの交渉、etc...考えることはまだあるけど、ひとまず必要なことはそろえたはず。


今日は国王による外交会談があるとされ、みんなが自由行動になるのだ。その時に出て行けば何も問題はない。何者かに襲われ連れ去られたとでもすればいいのだ。流石に魔界には来ないだろうし。



人族のテリトリーを人界、獣族のテリトリーを獣界、魔族のテリトリーを魔界、とこの世界ではいうのだ。ただ、あまり人族はこれを好ましく思わないらしく、人界のことを神聖界と言ってた時期もあった。まあ、その時期ってのが僕が魔族だったころなんだけど。


今でもは普通に人界と言うが、他族との接触時に嫌味とかで言うことがあるくらいらしい。………まったく、人族の考えることはわからないよ。



僕は人族として転生し、この世界に転移されたことでオリジナルを新たに得ることが出来た。他のスキルは今、絶賛レベル上げ中である。人族と魔族で身体の構造が若干異なるせいか、魔法の練り方がうまくいかず、慣れるのに時間がかかった。


魔族は魔素を魔法を放つ部位周辺に集めてそれを凝縮することで魔法を放っていたが、人族は魔素を身体の中央に集めてそれを糧として魔法を放つらしい。…あくまでイメージだけど。



………さて、そろそろかな。ゲートが開かれる!

うむ、いつ見ても不思議な現象だが、昔に何度も使ったことがある。

さて、行くか。

バイバイ、勇者諸く、



………ガハッ。投げ、ナイフだと…。誰だ!出てこい!


「ちょっとまだ行かれるのはまずいんでね。待ってもらうよ。」

「お前か…」


まっすぐ歩いてきたのはアキだった。






---  アキ  ---



なんとか間に合った。ここまで一直線で来たとはいえ、ギリギリだった。流石に疲れた…。


「で、何のようだ。僕を止めにきたのか?」

「…いや、君にいくつか訊きたいことがあってな。」


これを訊かないとどうするか判断できない。…いや、もうだいたいは想像つくんだけど。


「ここで何をしてるんだ?」

「…ゲートを使い、魔界へ行こうとしてた。」


まあ、ここにゲートがあるのはメアに情報をもらったから知ってたけど。………てか、ゲートって僕のオリジナルとほぼ性質が同じだよね。自然現象と僕のは同じなのか。…なんか、複雑だ。


「昨日見た君は偽物か?」

「あれは、幻影魔法だ。僕のオリジナル。」

「………普通にあるよな?」

「いや、あれとは違う。簡単に言えば分身を作り、設定どおりに動いてくれる人形みたいなものを作る魔法だ。ただ、人形が見たものを僕が共有できるとかいった機能は搭載されていない。」

「…それって幻影か?」

「言うな、ちょっと思ってる。」


…なんか、ドンマイ。まあ、使えるとは思うぞ。


「次だが………君は魔族か?」

「………理由は?」

「僕をあそこで殺ろうとしてたと思うけど、僕がいては邪魔な理由が必ず存在すると思った。そこで僕は君の行動パターンの予測が周りが出来ずに僕が少なからず理解していることが原因だと踏んだ。

ただ、それで何につながるか。みんなが予想できないこと、そう考えるともしかしたら根本的なところから違う可能性があるのではないかと考えた。君に対する昔からあった違和感はこれと関わるのではないかと踏んだ。

そこで、とある人にこの周辺で普通と異なるもの、()()についてを訊いてみたんだ。そしたら、ゲートの存在を聞けたんでね。もしかしたらと思ったのさ。」

「…長ったらしい説明をありがとよ。まあ、だいたい合ってるから合格だ。」


どうやらこれで合ってるらしい。少し拍子抜けだったな。


「それで、僕を魔族だから退治、もしくは捕獲・捕虜にしたいと。」

「………いや、そうじゃないんだ。」

「…何?」

「これが一番訊きたかったんだけど、君はこの世界で何を最終目標としているんだ? 何を為すためにこのような行動に出たんだ?」

「………ゲートの時間もあるため手短に言うぞ。」


内容をまとめると以下の通りらしい。


勇者に殺されたユウは勇者に対して強い復讐心を抱いている。

その後、人として転生したがこの世界に来ることが出来たことで、勇者に対する報復をしようと考えている。

ただ、自分の生きていた世界から千年も過ぎているため、当然自分を殺した勇者は死んでいる。

その復讐の矛先を今の勇者に向けた。

これからはそれを行う準備のため魔族と交渉し、協力していく。


…僕には前世とかわかんないしあまり理解できない感情だけど、なんとなく納得できた気がした。


「そうか………なあ、ユウ。君は人として生きた16年は楽しかったかい?」

「………まあ、それなりには。」

「それでも、戦うと。」

「ああ。」

「………わかった。」


僕はユウの顔を見てはっきり言った。

「僕はユウを会うことまではできたが、一歩及ばず逃げられた。ユウは自分探しの旅に出かけた。………これでいいか?」

「いいのか?」

「貸し一つな。」

「………恨んでないのか?」

「なったことのない立場のことに関してをとやかく言っても納得されないしな。」

「…そんなんでいいのか?」

「いいんだ。どうせ、僕は暇でなければそれでいい。…まあ、死にたくはないけどさ。」

「そうか………

ありがとな。」

「みんなと一緒に捜索していたが違う方向を言っといた。今のうちにな。」

「ああ………またな。」

「おう、いつかな。」


今度こそユウがゲートに入ろうとしたが計算外なことが起こる。


「………何、言ってんの?」


声のした方を見ると、クラスのみんながいた。僕もユウも今まで気づかなかったようだ。はやっ!どうやって来たんだよ!まさか、ずっとつけられてた!?………てかやばいな。聞かれてたのか。


「…相沢君、今の話、本当なの? 嘘、だよね?」


クラスの一人が訊いてきた。訊かれていたけど信じ切れていないようだ。


「………すまない。本当だ。」


そう、答えるしか残されていなかった。

みんなが絶望の表情をしている。…まあ、意図してないとはいえ裏切られたんだからな。当然、なのかな?

わからん。


「とりあえずみんなおちつきましょ、」

「じゃあさ、魔族なんだし取り押さえた方がよくね?」


とある人の発言によりクラスが悪い方向に行こうとしている。


「そうだよな。そうしないといけないよな。」

「敵、なんだし。ここは捕まえて話を詳しく聞こうよ。」

「そうしないとなんか理解できねえしな。」


みんながユウを捕まえる方向に話が進んでる。何人かは戸惑っていたりしているが、ほとんどがそれに賛同している。ほんとにどうしよう。


「みなさん、争いはよくありません。今すぐやめましょう!」


ここで入ってきたのがメアだ。…嫌な予感しかしねえ。


「………深海の女神?」

「「!」」


メアは驚き、僕は焦っている。口に出すなよ。


「メアさん、ですか?」

「…君は?」

「相沢友です。昔の名はノトス・アルバドロです。」

「…〈影楼〉ですか。」

「ご存じでいただき感謝でございます。」


なんか、ヤバい方向にいってる。とにかくこの場をどうにかしないと。


「相沢君、深海の女神って、もしかして、」

「待て、やめ」「ああ、ダークネス・メア様だ。」

「………」


みんなまた黙っちゃったよ。…もう最悪だ。


「…翼君はそのこと知ってたの?」


確信持ってる顔で訊くなよ!嘘いうなよってことだよね!


「ああ、知ってた。だから変装させて偽名も使わせた。」


あーあ、どうしよ。


「てことは、翼も危ないんじゃね?」

「むしろ国家反逆罪とかそういったものだよね?」

「てことは、()()とも捕まえるべきだね。」

「「「…」」」


みんなが僕らを捕まえる方針になりそうだ。ただ、レイとナオとミキは知り合い、というか友達だったため思い悩んでいるみたいだ。後数名リタイアしていた。原因はショックによる喪失感。ってかそんなこと言ってる場合じゃねえ!


「みんな行くぜ!」

「「「「「「おー!」」」」」


とか考えてる間にみんなが突撃に来た。………こうなったら仕方ない!

「ユウ、お前は早くゲートで行け!メアも早く逃げるんだ!時間を稼ぐ!」

「お、おい、アキ!」

「アキさん!」


一人が囮になって二人を逃がす。これが一番マシだ。急だけどそれしかない!


「翼をまずやるぞ!」

「「「「ラジャー!」」」」


大体が僕に来たけど何人かはメアの方向に行った。ユウは僕の後ろのため、近くの僕へ先に来る!


「くそっ!〈ウインドカーテン〉!」


僕が放った魔法でメアの周りを風が覆う。風による防御魔法だが、意外に使える便利な魔法だ。これで誰も近づけないはずだ。伊達にみんなよりレベルは高くねえよ!


「ちっ!おい、まずは翼だ!その後で二人をとっ捕まえる!」


これで全員のタゲをとれたな。後は魔法で近づけなくして時間を稼ぐ!


「おい、何やってんだよ!早く来い!」


突如ユウに襟首をつかまれて引きずられる。え、まさか…


「お前も一緒に来い!」




やっぱりかーーーーーーー!!!!!!




僕らが入った瞬間、ゲートは閉じられた。

ちょっと書いてて変だな、とは思ったけどこういった方向で行くことにしました。

ちょっとわからんけどこの方向で書いてる方が面白そうだったのでこうしました。

当初の予定とは全く違うけど、変更なんて人生に付き物だよね!


たぶんですけど次回は外伝となります。

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