再会
ほんとに週1になったよ。
一人称がわかりづらかったのでわかりやすくしてみました。
--- アキト ---
ようやく城の前に着いた。随分と時間がかかったため、皆心配しているだろうか。…手にはいろんなものがあり、行方不明者の帰宅シーンには到底見えないが。
城の門前に行くと門番に止められた。なんどか城内で会ったことがあったため入れるかと思ったが、一応確認をとるらしい。建前上ってとこかな。許可証を貰っていたので渡しておいた。
5分もかからないうちに城の中に入ることが出来た。2人とも入ることが出来た。マジで検問の人、サンキュー!
ただ、待合室に行くように言われた。知らない人とかいるからそこで話を聞いてから、といった感じかな。とりあえず待合室に向かった。
待合室は城に入ってすぐのところにあり、意外と質素な部屋となっている。入ったことは一度もなかったが、なかなか居心地はよかった。城にどうしてこのような部屋を作ったかは知らんが、庶民としてはありがたいに限る。…あまり豪華なところは落ち着かないしな。
…それにしても長いな。20分くらいは待ってるんだが、誰も来ない。なんか、あったのか?
気になったが、どうせ後でわかるだろうし気にしないことにした。
「そういや、国王とは一度会ったことはあるのか?」
暇だったのでメアと話すことにした。
「まあ、一度は会ったことがあるけど、その時は顔を変えていたからたぶんあちらにはばれないと思うよ。」
「…そうか。そういや、どうやって変えてるんだ?」
「魔法です。詳細は秘密です。」
………まあ、そのうち教えてくれるだろう。
「国王はどんな印象だった?」
「そうですね………裏の読めない気さくな人、ですかね。」
「………なんか、矛盾してるよね?」
「そう思いますけど、それが一番適切だと思いました。」
「まあ、確かにな。」
これなら、僕の人物像と変わらなそうだな。まあ、人によって態度が違うとか人間にはよくあることだから気になったけど、そこに関する問題はなさそうだな。ただ、メアでさえも裏が読めないとなるといろいろと不安になるな…。
コンコン
ドアのノックが鳴った。その後、1人の女性が入ってきた。たしか………クラスメイトの専属メイドだった人だ。誰だったかまでは覚えてないが。聞かれてないよな…。
「ツバサアキトさん。国王様がお呼びになられてます。私についてきてください。」
国王直々にか。…普通、他の人に一度事情聴取なりをしてからじゃないか?順序が違うんじゃないか?…まあ、いいいけど。どうせ、僕は何もしないわけだし。
「よくぞ、お戻りになられた、ツバサ殿。」
…なんか、慣れない呼ばれ方だから恥ずかしいな。まあ勇者だし、地位もそれなりに上の人と同じ扱われ方をされるのは不思議ではないけど。なんか、すみません!
「本当に亡くなられたのではないかと心配しましたぞ。」
本当ならありがたいけど、本当なのだろうか…。なんか、この人はよくわからないんだよな。
「では、そなたに何があったのか申してみよ。」
ここで話すのね。やっぱ、順序違うよね?まあ、話すけど。
「………なるほど。何者かに襲われた、か。そんな証言はなかったから不思議だが、まあそうなのだろう。」
これだと、一度みんなの口からだいたいのことは聞かされているようだな。まあ、僕は嘘偽りなく言ったから問題はないはず。…一応何個かは黙っておいたけど。
「とりあえずご苦労。今は休養を取るがいい。そなた、ルイーナといったか。そなたもゆっくりしていかれるといい。」
どこの旅館だよここは。まあ、これでメアと共に合法的に城に入ることに成功した。
「そういや、アキ殿の専属で就かせていたメイドが行方不明になってしまった。理由はわからんが、今捜索中だ。ひとまず他の人をつかせようと思うが構わんかね?」
「えっ、………ミレイユが行方不明なんですか!どうして………代わりメイドはいい。代わりにルイーナと同室にしてくれ。あまりこういうところに来た事がないし、近くに知り合いがいないと心細いと思うし。」
「………わかった。では、用があるときはメイドをそちらに行かせる。ただ、基本的に専属ではないため近くにはいない。…それでいいか?」
「ああ。」
「では、みんなのところに行ってくるといい。今は中庭にいるはずじゃ。みんな心配していたみたいだしな。」
「わかった。…無茶を聞いてくれてありがとうございます。」
「それは、いいが………あまり、羽目を外すなよ(笑)」
「そ、そんなことはしないって!」
…ほんとに変わった王様だな。
王室を出て、廊下を歩いている間に訊いておくことにした。
「じゃ、僕は中庭に行くけど、一緒に来るか?それとも部屋に行くか?」
「中庭に行きましょう。心配されているんですから少しでも早く行ってあげるべきです。…それに、友達の顔とかも見てみたいですしね。」
「わかった。じゃ、行こう。」
…ミレイユのことは後で訊こう。
中庭をのぞいてみるとみんな、武術の鍛錬をしていた。…みんな、いるみたいだな。やる気があまり感じられないとはいえ、全員いるだけマシか。………出ずらい。なんか、ハズイよな、こういうの。
「どうなされたのですか?」
「………いや、こういうのってなんか恥ずかしいだろ。出ずらいな~って。」
「確かにそうですけど、そういうのは長くなるほど余計恥ずかしくなりますよ。」
「だな。スーハースーハー………よしいくか。」
………折角だし、ちょっといたずらするか。
--- レイ ---
鍛錬する気が最近起こらなくなってきている。周りの皆もあまり頑張っている感じはない。ただ、形式上しているだけ、みたいな感じ。…原因はやっぱりアキのことだな。あれで、死のことを深く突きつけられて、不安になっているし、したくなくなっているんだろう。私もそうなのだから、きっとそうなのだろう。
今、どうしたらこの状況を変えられるか必死に考えている。家で武術を習っていたこともあり、そういう方向での使い道も心得ているため、多少人の死に関して理解していたが、本当に起こると怖いものだ。そして、それを思い知らされたのが友人の死となると余計だな。
こういう状況だと、アキに頼るのが最も適任なのだが、その本人がいないとやっぱり方法が思いつかないな…。どうしよ…。
その時、中庭の端にある茂みが揺れた気がした。今は風が吹いてないし、揺れることなんてないはずなのに…。………あ、また動いた。何かいるのだろうか?気になったので近づいてみることにした。茂みをのぞき込んでみると、人がいた。
その人はローブを着ていたため顔は見えないが、男性のように見える。そのローブは私に気づくと、すぐさま剣を振ってきた。私一歩下がってよけて、構えた。周りの皆が少しずつこちらを見てくるようになった。…私の動きとかで普通ではないと悟り、気になったのだろうか。
ローブが茂みから出てきた。剣を片手にこちらに歩いてきている。…それにしても随分いい剣に見える。まるでそちらに引き付けられるような感じがした。
クラスメイトは戦闘する構えをしているが気圧されているため、とても戦えそうにない。…仕方ない。私が相手をしよう。
ローブが私に突っ込んできた。剣を構えると、私も飛び出した。2本の剣が交差する。それと同時に私は悟った。このローブは強い、と。ローブはこちらに何度も剣を振ってくるがこちらも剣で応戦する。
何度も剣のぶつかり合いが起き、攻めるタイミングを計っていたところに横薙ぎが来た。私は後ろにかわすと勝機と踏んでか加速してきた。ローブは逆風の方向に斬ってきたので横に避けざるを得なかった。右に避けるとローブはこちらに向かって回転切りをしてきた。横ではなく縦に。避けるときにバランスを崩したため避けられそうになかった。
剣で応戦するが何度も当てられる剣に耐えることが出来なかった。剣を弾かれるとローブはタックルをして私を押し倒した。私は地面に倒れ、立とうと思った時には剣を首に当てられていた。
「………負けか。好きにするといい。」
ここで暴れても格好の悪いだけだ。負けを認めて諦める他ない。
「………。」
待ってみたが何もしてこない。…どうしたんだ?
「………プッ。」
………えっ。
「ハハハハハハハハハハハ。お前は相変わらずだな。そのまっすぐなところ嫌いじゃないぜ。」
そういうとそいつはローブを脱いだ。
「え、え、あ、(パクパク)」
「やあ、ただいま。」
そこには死んだとされていたアキがいた。
来週も一度しか出せなそうです。




