最初の目的地が…あれ?
昨日出せずにすみません。
風邪を引いて一日寝込んでしまいました。今日の予定ではありませんでしたが、昨日の分を出します。
アキは最初にどこに行くべきか悩んでいる。
2人もの仲間を得たとはいえ、それで今後何処に向かうかが決まるわけではない。あるとすれば、どうやって行くか、行く場所に種族による偏見があるかどうか、などである。あってもなくてもどうにかなる問題しか出てこない…。本当にどうしようか…。
「ノインは剣の姿でいるか、人間の姿でいるか、どっちがいいんだ?」
先にどうにでもなるところを埋めておこう。
「そうですね…、明人さんはどっちがいいですか。」
「…何故僕に訊いたんだ?」
「いえ、なんとなくです…(チラッ)」
…これは、なんかを僕に求めてるよな。…正直に言うと剣の姿でいてほしいのだが仕方ない。
「どちらかといえば、…今のままでいいかな。」
ノインの笑顔が眩しい!まあ、喜んでくれたのならそれでいいんだけど。
「………では、最初の目的地をモールスのしたいと思います。」
「「パチパチパフパフ」」
結局ここから一番近いところにした。まあ、一番近いのはアイゼンなんだけど。
「アキさんはアイゼンに戻らなくていいんですか?」
メアにそんなこと訊かれた。まあ、そうだよな…。
「別に大丈夫だよ。みんなは僕のことを死んだと思っているし、バレなきゃ大丈夫だよ。それに、…メアだけをここで待たせるのは悪いしな。」
「そうですか、お気遣いありがと………ちょっと待ってください。なんで私だけだったんですか?ノインも残るはずでしょ?」
「まあ、そうだけど、………ノインは剣になれば問題ないじゃん。でも、メアはなれないしさ。例えなれたとしても、敵の本拠地に一緒に行かせたいとは思わないからね…。」
「…」
あれ?間違えた?
「メアさんや、何かいけなかったかい?」
「…いえ、そういうわけでは。私のことを気にしてくれたんですよね。ありがとうございます。でも…」
でも?
「一度は仲間のみなさんと会っていた方がいいと思います。なので、アイゼンに行きましょう、一緒に!」
「そうか、わかっ………ちょい待て。お前も来るのか?…大丈夫なのか?」
「大丈夫です。何度も中には入ってますしね。その時は見た目を幻惑して偽の姿を見せてましたしね。そして城でメイドまでしてたんですし、バレませんよ。まあ、バレても実力で逃げかえればいいだけですしね。」
まあ、それでいいのならいいのかな?
「…わかった。じゃ、アイゼンに行こっか。ノインもそれでいいか?」
「いいですよ。…今までずっと2人のターンで長いんですよ。もっと私に機会をくださいよ…(ボソッ)」
「…ん、なんか言った?」
「いえ、なんでも。」
なんか、ノインが不機嫌だがどうしてだろうか。…わからん。まあ、いいか。
「いくぜ!アイゼンへ!」
「止まれ!」
城下町の検問でいきなり止められた。
「大丈夫なんだろうな、メア。不安になってきたぞ。」
「大丈夫なはずです。…たぶん。」
「やめてくれよそういうの!怖いよ!」
「仕方ないでしょ、そんなこと言われたら不安にも」
「おい。」
「「!」」
「お前は、勇者か?」
「…あ、ああ。一応勇者の翼明人だ。」
「ツバサアキト………確か、1週間くらい前から行方不明になっていた」
「ああそれ、たぶん僕だよ。」
やっぱ、行方不明扱いにされていたか。…まあ、そうだよな。てか、他に行方不明になる人なんて少ないだろう。
「わかった、入場を許可しよう。…そちらの方は?」
「行方不明になっている間に助けてもらった」
「メアです。よろしく。」
おっと、検問の人が後ずさっているよ。
「誤解してるのかもしれんが、この人はあの有名なメアとは違って、普通の一般人だ。それでよくいじられていたらしい。あまりついてやらないでやってくれ。」
「…わかった。すまない、あまりいい態度ではなかったな。」
「…いや、みんなそんな反応なんで慣れましたよ。気にはしないですよ、最近は。」
「そうか、…2人の入場を許可する。たぶん城に行くんだろ。許可証を出そうか?」
許可証は普通、城の前でもらえるものだ。少し時間がかかるため正直めんどくさかったのだが。
「…いいのか?」
「ああ、お詫びだ。」
「詫びされるようなことはされてないが………まあ、ありがたく受け取らせてもらう。ありがとな。」
「おう、これからもがんばれよ。」
なんとか入れたな。ひやひやしたぜ…。
「ノインもバレずにいけたな。」
「そうだね。…まあ、流石に普通の剣にしか見えないよね。」
…いや、普通じゃないから訊いたんだが。
ノインは今、剣になってもらっている。理由はバレづらいから。人間の姿だと言い訳を考えるのがめんどくさかったのだ。…ただ、剣になったノインは、なんていうか、迫力があった。いや、威圧というべきか…。とにかく自然と目がそちらにいってしまう感じがあった。
なんでも、ノインが剣になると「魅力 Max」「威圧 ---」というスキルが発動するらしい。
「魅力」は人がこのスキルを所持すると、同性、異性から異なった好意を持たれる。同性の場合は英語で言う「like」だが、異性の場合だと「love」になるのだ。個人差があるため100%とはいえないが、高確率でそうなるらしい。
これを剣が所持すると剣としての美しさ、カッコよさ、といった感じで見惚れてしまうらしい。…決して剣のことを愛してしまうとかそういうことではない。
スキルは所持者によって少し変化することがあるらしい。…なんか、厄介だな。
「威圧」はその名の通りなんとなく「こいつ、デキル!」みたいな感じのオーラが出るらしい。それで怯ませたりもできるようだ。
しかもこれ、威圧は制御できるが、魅力の方は常時発動しているらしい。…少しそこは厄介だな。まあ、注目されるだけだしいいか。
ア「少し、町をぶらぶらしてから行くか。」
メ「そうだね。」
ノ「ほーい。」
と言ったものの、町に来たのは今回が初めてだ。何があるのかさっぱりわからん。…折角だし使うか。
(マイン、おすすめのみせとかないか。)
『検索します------近くにギュウロールがあります。そこは評判がいいです』
(わかった、ありがとう。)
忘れられていた自立起動型AI マインさんの出番だ。何気に初使用だった。案外すぐに答えを出してくれるらしい。…まんま○iriだな、まあ、AIだし、成長するからどのように成長するのか楽しみだ。
ちなみにギュウロールは野菜を肉で巻いたのをタレにつけて焼いたものだ。…簡単だが美味いらしい。
ア「少し、食べ歩きでもするか。」
ノ「そうですね。」
メ「食べ歩き?」
ア「屋台で何か買って食べながら町をウロウロするんだ。案外そういうのも悪くないかなって。」
メ「いいですね!そうしましょう!」
なんか、こういう感じも悪くないな。楽しい。
金は大丈夫かなと心配していたが、何故か金が増えていた。○ラクエシステムだった。戦って勝てば何故か魔物から金がもらえるらしい。ダンジョン内で結構倒したこともあり、金には当分困りそうになかった。
まあともかく、その金を使って服とか装備品とか買っておいた。…魔法の袋みたいな入れ放題の収納できるものが欲しくなった。まあ、今のレベルだと無理だろうからもうちょっと待とう。
………作れたわ(笑)どうしよ(笑)出来ちまった(笑)…まあ、気にしないことにしよう。例え、国の技術者でもできないことをあっさり出来ちまったとしても(笑)
メアやノインにも私服などを買ってもらった、自分で。センスの自信がないからね。…自分で言って悲しくなった。
まあ、そんな感じでだいぶ有意義な時間を過ごした。流石にそろそろ行かないと、みんなに悪いよな。
「じゃ、行くか!」
僕は城に帰還する。
主人公がクラスメイトと別れず一度帰るって少し珍しい気がする。…まあ、こういうのもいいよね。




